同梱チラシは、商品購入後の顧客に対して直接アプローチができるマーケティング手法です。
WEB広告のようなオンライン広告が主流になっている現在では、実際に商品情報や関連情報を手に取ることができる媒体として再び注目されているオフライン媒体です。
そこで本記事では、WEBマーケティングのプロの視点から同梱チラシのメリットやデメリットを詳しく解説していきます。
さらに、女性向け施策としての可能性も触れながら具体的な活用方法についても紹介していきますので、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
以下のような方にオススメな記事です。
- 購入者に対して効果的な施策を模索している方
- 女性をターゲットにしたマーケティング施策を検討している方
- 同梱チラシの効果的な運用を理解したい方
- 同梱チラシとWEB広告はどっちが良いのか知りたい方
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同梱チラシって本当に効果があるの? WEBマーケの視点から解説

そもそも同梱チラシとは、ECサイトやネットショッピングで購入した商品に同封される広告チラシのことをいいます。
広告チラシにはさまざまな種類がありますが、以下のような内容を盛り込むのが一般的です。
●広告チラシの主な内容(同梱チラシも広告チラシの一種)
[広告チラシを構成する項目] | [内容] |
挨拶文 | 商品購入のお礼文を作成(手書き推奨) |
商品情報 | 購入商品の使い方や特徴 |
クロスセル | 関連商品やサービスの紹介 |
クーポン | 次回購入時に使えるクーポンコード |
ブランド・企業情報 | ブランドのストーリーや理念を説明 |
イベント紹介 | 新商品や季節限定告知・SNS投稿キャンペーン |
レビュー依頼 | 購入商品の感想をSNSやECサイトで投稿してもらうよう依頼 |
事例紹介 | 他の購入者から寄せられた感想や体験談 |
SDGs情報 | 環境配慮を意識した情報提供 |
報酬付きのアンケート | 購入者アンケートへの誘導 |
自社ブランドの同梱チラシの場合、商品購入時に同封する広告チラシなので、すでに自社企業やブランドへの関心が非常に高く、商品の販促やブランド認知、リピート購入を効率的に促すことができます。
満足度が高いタイミングで顧客へのアプローチができるので高い効果が期待できる媒体です。また、他社の同梱チラシであっても、依頼した購入品が手元に届いたタイミングで目にするため、ターゲットに好印象を与えやすい環境にあります。
同梱チラシと同封チラシの違い

同梱チラシと似た意味合いを持つ言葉に「同封チラシ」があります。
広告チラシを同封するという意味では似ていますが、送るための入れ物に違いがあります。同梱チラシは、商品が入っている「箱」にチラシやサンプルを入れて送るのに対して、同封チラシは、カタログや会員証などの紙の媒体を入れた封書にチラシを入れることをいいます。
同梱と同封で呼び名が違う理由は、入れ物が箱なのか封書なのかによって異なると覚えておきましょう。
WEB広告と同梱チラシの違いと相互効果
最後に、WEBマーケターである私が、オンライン広告とオフライン広告である同梱チラシのどちらが良いのかを個人的な見解も含めて解説していきます。
今回、同梱チラシの特徴である「ブランドイメージの醸成」「購買・リピート促進」と同じ効果が得やすいWEB広告と比較したときの比較をお話させていただきます。
オフラインまたはオンラインどちらからでも検討されている方はぜひこちらも参考にしてみてください。
WEB広告と比較した場合の「同梱チラシ」の有効性
項目を、「開封率・到達率」「ターゲット」「コスト」「配布時間」「効果測定」「ユーザー体験」の5つで比較すると以下の比較ができます。
●同梱チラシとWEB広告の比較
[項目] | [同梱チラシ] | [WEB広告] |
開封率・到達率 | 購入商品に同梱されるので、到達率や開封率はほぼ100% | ユーザーの興味関心・購入履歴に基づいて広告が表示されるが、視覚的な広告表示となるためすべてのユーザーに見られるわけではない |
ターゲット精度 | 購入履歴や顧客情報に基づいて発送される | プラットフォームが持つ年齢や性別、興味関心や行動履歴などの多様なデータを活用して詳細なターゲットが可能 |
コスト | 1枚5円~25円 | 広告形式によって変動するが、クリック単価やIMP単価が主流 |
配布時間 | 時間がかかる | 即時配信できる |
効果測定 | QRコードなどを使用すれば効果測定が可能。ただ、レスポンス率の測定は難しい | クリック数や購入数、滞在時間など詳細なデータをタイムリーで把握できる |
ユーザーに与える体験 | 商品と一緒に送るので、物理的な接触から信頼や親近感をもたれやすい | WEB上で視覚や聴覚に訴求するためユーザーへの関心を引くことができる |
まとめると、WEB広告は拡散力や即時性がありコスト面は同梱チラシよりも魅力的です。
一方同梱チラシは、顧客が商品を開封するというポジティブな感情にアプローチすることができるため、開封率、ターゲティング精度、購入やリピート率が高く、費用対効果がWEB広告と比較して高い利点があります。
目的やターゲット層、予算などに応じてこれらの広告手法のどれを選択するのか見極めることが重要になってきます。
WEB広告と同梱チラシを組み合わせた相乗効果

WEB広告と同梱チラシを組み合わせることで、オンラインとオフラインの接点を増やし、顧客体験をより充実させることができます。
たとえば、WEB広告で新しい商品のリリースを告知し、購入後に同梱チラシでリピート購入や口コミ投稿を促すという流れが効果的です。
同梱チラシにキャンペーン誘導用のQRコードを掲載して、SNSやWEBサイトへのエンゲージメントを向上させる連携方法もあります。
両者を連携させたマーケティング戦略も、WEB広告の速効性と同梱チラシの持続的な効果を両立できる方法となるので、オフラインとオンラインを別々で切り分けるわけではなく
それぞれの特性を理解して、活用を検討してみてください。
WEBマーケターが注目する「同梱チラシ」のメリット
同梱チラシの特徴というと、何と言っても「セグメントされた顧客に向けて、物理的な商品である広告チラシを届けられる」ということです。
特に、ブラウザに表示されるだけで終わるオンライン広告と比較すると、商品と一緒に同封される広告チラシのほうが手にとって読んでもらえる確率が高いことは容易に想像できます。
また、本来の目的である商品購入やサービスの利用に留まらず、ブランドの信頼性の向上や関心度をより高めることも可能で、目的に合わせて相乗効果が見込める施策とも言えます。このような特性が、WEBマーケターである私が注目している理由です。
では、同梱チラシが具体的にどのような効果を生むのか見ていきましょう。
「同梱チラシ」のメリット① 商品と一緒に届く安心感

同梱チラシが購入した商品と一緒に届くことで、顧客に対して安心感や信頼感を醸成させることができます。
顧客自身が選び購入した商品が届くわけですから、その箱は顧客にとって必要なものと認識されます。
そこに、例えば「商品の使い方ガイド」や「メンテナンスの情報」「手書きのお礼文」といった商品に関連する追加の情報があっても、自身にとってノイズとは判断されにくく、むしろ「自分のために手間を掛けて用意してくれた情報」と感じてもらえます。
この安心感が、ブランドや企業への好印象(信頼性)を高める土台となるわけです。
「同梱チラシ」のメリット② ブランドイメージを向上させる可能性
紙の質感やデザインなどにこだわることで、さらにブランドのイメージを強化することができます。例えば、高級マンションのリフォームに関するチラシを同封するとしましょう。
ターゲットは高所得者が多いので、紙を高品質なマット仕上げにし、洗練されたフォントや色使いで上品さやオシャレさを印象付けるデザインにすることで、ユーザーは自分に向けたチラシと認識をむけることができます。
ターゲットに合わせた感性に響くような要素を取り入れることでブランドの魅力をより高めることができます。
「同梱チラシ」のメリット③ 直接的な購入促進効果
同梱チラシに、「クーポンコード」や「今だけレビュー投稿プレゼント」などの特典を記載すると、顧客の購入を後押しすることができます。
実際に、特典クーポンを実施したECサイトでは、リピート率が向上したという事例も報告されているため、直接売上に直結するのも同梱チラシの強みと言えます。
WEBマーケターが考える「同梱チラシ」のデメリット
同梱チラシには多くのメリットがある一方で、考えなければいけないリスクもあります。これらのリスクに対してどう対処するのかが、同梱チラシの効果を高める鍵となるので、
以下、代表的な3つのリスクと解決策を見ていきましょう。
「同梱チラシ」のデメリット① コスト増加のリスク
当然ですが、同梱チラシを取り入れる場合、印刷費用やデザイン費用などのコストが必要になります。
さらに、紙の質感にこだわるほど紙の価格や重量が増えることによる配送費用が上がる場合もあるので全体的な費用がかなり増加することもあります。
コストが大幅に増えると、小規模や中小規模の事業者にとって、費用対効果が期待どおりにいかないと大きな負担となります。
ここで考えなければいけないのが、「ターゲット層を明確に絞ること」です。
関心の低いユーザーにアプローチしても購入促進に繋がらないのであれば、そこに費用をかける必要はありません。
予算が限られている場合、必要最低限の数量で最大の効果を狙う方法が有効なので、ターゲットをしっかり絞るということを意識して施策を進めてみてください。
同梱チラシでは、同梱先のサイトがターゲティングをしている場合がほとんどです。場合によっては、そこから地域や性別、購入物などで絞り込みが可能なため、同梱先のプランを確認してみると良いでしょう。
「同梱チラシ」のデメリット② 資源の無駄遣いと環境問題
紙資源の使用が避けられない同梱チラシは、環境への配慮が求められます。
特に今の時代、SDGsなどによる環境配慮がより強く求められている中で、資源の浪費は批判されることも少なくありません。
そのため、使用している資源が再生紙やエコなインクを活用して環境に配慮した素材を使用するような取り組みも重要です。
特にオーガニック関連の商品を取り扱うブランドや女性をターゲットにした商品であれば、このような取り組みがユーザーの関心度を高めることに繋がるので積極的に取り入れてみてください。
「同梱チラシ」のデメリット③ 受け取る側の関心が薄い可能性
広告チラシ全般に言えることですが、広告チラシが「ただの紙」として見られて目を通してもらえないリスクもあります。
特に、内容がユーザー視点ではなく一方的な宣伝(PR)チラシの場合は、そのままゴミ箱に捨てられることもあります。
そうしたユーザーの行動を避けるために、顧客に「自分の為の情報だ!」と思わせることが重要なのです。上述でも触れていますが、ユーザーの関心に合わせて商品ガイド(使い方)や事例紹介、購入者の方へのお礼メッセージを添えることで同梱チラシの価値を引き上げることができます。
また、同梱先の名前を宛名に入れ、「●●ご利用のお客様限定」とするなど、自分事として捉えてもらえるキャッチを入れるなども効果的です。
「同梱チラシ」が特に女性消費者に向けて効果的な理由

私の見解として同梱チラシは、女性顧客に向けた施策として特に効果が高いと考えています。その理由は、女性顧客の購買行動が関係しています。
女性顧客が購買行動を起こす際に重要視されているのが、「感性」「ビジュアル」「共感」の3つです。
では、具体的にどのようなデザインや情報を工夫すれば、より効果的なチラシを作成できるのかを見ていきましょう。
特に女性消費者に向けて効果的な理由① 「感性」に訴え、満足度を上げる
女性消費者が購買行動を起こす際、理屈ではなく「感覚的な心地よさ」によって決断することが多いとされています。
同梱チラシが「感性」に訴える方法に、メッセージだけでなく、チラシを手に取った瞬間に感じる全体のトーンや質感まで考慮することが必要があります。
例えば、紙の触り心地や印刷の質感が高いと、「特別感」を感じることはありませんか。感覚を総合的に刺激する工夫が満足度を高めるポイントになります。
特に女性消費者に向けて効果的な理由②「ビジュアル」で惹きつける
パケ買い(パッケージが気に入り購入するの意)という言葉があるように、女性は商品の「見た目」をかなり重視する傾向があり、見た目が自分にとって魅力的であるほど購入につながりやすい傾向があります。
つまり同梱チラシのデザインは、ターゲットである女性が思わず目を留めるような質の高い魅力的なレイアウトを意識することが重要となります。
例えば、春の時期ではパステルカラー、秋には温かみのあるデザインを使うことで、女性の心情に訴えかけて関心を高めることができます。
特に女性消費者に向けて効果的な理由③「共感」を生むメッセージの力

女性の顧客は、「自分を理解してくれている人」には信頼感が生まれやすい傾向があります。ブランドも同じで、顧客を理解しているという内容を広告に添えることで、そのブランドへの関心が高まります。
そこで同梱チラシでは「忙しいママさんのための時短商品」というようなこんな貴方にオススメという具体的なターゲット訴求を設定し、細かい配慮を見せることで「これは自分の為の情報だ!」と思わせることができ、共感を呼び寄せて購入への意欲につなげることができます。
さらに、女性は自分と同じ価値観や趣味を持つ人が使っている商品に共感を覚える傾向があります。SNSや口コミでの共有が購買行動につながりやすいのはそういうことです。
購入者の声などの綴った広告チラシも添えることも購買に直結する1つの施策といえます。
女性向け同梱チラシの効果を上げる作成ポイント
女性消費者に向けた同梱チラシは、ターゲットに合った内容やデザインや構成が「受け取りやすい」ものであることが鍵です。
以下では、効果的な構成や訴求ポイントについて詳しく解説していきます。
効果を上げる作成ポイント① シンプルで視覚的にわかりやすい構成
女性の顧客に商品をアピールする際は、「情報を詰め込み過ぎず、余白のあるデザイン」を意識するようにしてください。
余白を入れることで、1つ1つの情報が引き立ち、視覚的に情報を得やすくなります。また、商品の魅力を直感的に伝える工夫として「箇条書き」や「キャラクター」などを添えるものも良いでしょう。
伝えたい優先順位を明確にし、最も伝えたいセクションは目を引くビジュアルにして際立たせることをぜひ意識してみてください。
効果を上げる作成ポイント② 女性特有のライフスタイルに合った訴求
上述で、女性顧客のライフスタイルやニーズにマッチした提案をすることをお伝えしました。
ここで意識していただきたいことは、ターゲットが置かれている状況を理解し明確化したうえで、訴求メッセージに落とし込むことです。
例えば、育児や仕事で時間がなく、少しでも時間を作りたいと考えているママさんに対して「育児や仕事での忙しい日常で、少しでも時間を作りたいママさんへ」という訴求メッセージを添えたり、子どもと一緒に遊びたいのに遊んでくれないという方に対して「子どもと一緒に楽しめる」といった具体的な提案をすることで「実用的な情報」だと認識させることができ、信頼性の向上に繋がります。
ぜひこれらを意識して訴求メッセージを考えてみてください。
まとめ:未来の同梱チラシの可能性

同梱チラシは、商品とともに広告チラシを顧客に届けることで、信頼感や安心感を生み出すマーケティング手法です。
特に、オンライン広告にはない物に触れる効果や購入時の満足感を活かした販促が可能で、女性向けの商材に費用対効果が高い施策としても知られています。
近年では、WEB広告の即時性を活かし、双方を活用する事例も増えてきています。どちらも適切に組み合わせることで、より効果的なマーケティングが実現することができるので施策を検討する際にぜひ参考にしてみてください。
「ミニマリストの片付け」を運用するトレファクテクノロジーズが、広範なBtoBライターネットワークを活かし、専門性の高い各種コピーライティング、メディアを活用した記事広告施策など、ご要望に最適なライティング施策やSEOコンサルティングをご提供いたします。
※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
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この記事を書いた人

コンテンツ企画/制作/広告によるリード獲得を支援しております。企業が持つ強みを最大限に引き出すデジタルマーケティングを実行します。千葉在住、フルリモート、 本とXを読み漁る人、かわいい娘と妻の為に仕事と育児に奮闘中。