「コンテンツSEOの平均CVRっていくつ?」
「法人向けのリスティング広告の平均CVRってどれくらい?」

BtoB企業向けのコンテンツSEOやリスティング広告を運用されている方なら、一度はCVRの平均値について調べたことがあるでしょう。

これら2つの平均CVRは、業種や商圏、ターゲットによって大きく異なるので非常に答えるのが難しいです。

そこで本記事では、CVRの基本的な解説と、コンテンツSEOとリスティング広告それぞれにおいて、業種別の平均CVRを紹介します。

まず、CVR(コンバージョン率)とは

CVRはコンバージョン率とも呼び、Webサイトに訪れたユーザーのどれくらいの割合がコンバージョン(CV)に至ったかを示す指標となります。

コンバージョンの計算式は以下の通りです。

CVR(コンバージョン率)
= コンバージョン数 ÷ クリック数(アクセス数) × 100

コンバージョンは目的や成果という意味で、内容は自社の目的によって変わります。

例えば、自社の目的がリード獲得であれば、資料請求やお問い合わせがコンバージョンになります。目的が売上であればサービス購入数がコンバージョンとなります。

このように、自社の目的にあわせてCVが変わることも理解しておきましょう。

BtoB企業のコンテンツSEOは本当に効果があるの?

実際に記事を作成することで本当にアクセス数が伸びるのかと疑問に思われている方も多いでしょう。

結論から言うと、「ユーザーにとって有益かつ独自性のあるコンテンツが執筆できれば効果が得られる」です。以下、実際にBtoB業界のさまざまな業界のCVRを紹介していきますので、何となくご実感いただけると思います。

ただし、現在ではChatGPTに代表される生成AIによって、顧客にとって有益な記事がすぐに作成できるようになったため、独自性の重要度が増しています。少し前までは、他社と類似する質の低い記事でもSEOコンテンツとして機能していた例がありましたが、時代は急激に変化しています。

そのため、BtoB企業向けのコンテンツを作成する際には、自社の経験を取り入れた記事や特定のトピックに対する専門的な知識を解説する記事など、信頼できる情報源を基にしたコンテンツの執筆が必要になります。

こうした記事の執筆ができる体制が整えば、BtoB業界においても定期的に大きな効果を得ることができると考えます。

【アメリカの大手SEO企業を参考に】BtoB企業向けコンテンツSEOの平均CVR

アメリカの大手SEO企業であるFirst Page Sage が過去10年間、24業界のBtoB企業を対象に行った調査によると(B2B Conversion Rates By Industry – 2024)、全業種のCVRの平均値は「2.19%」でした。

以下、業界別の平均CVRになります。

● BtoB企業向け「コンテンツSEO」 業界別の平均CVR(データ公開は2024年4月、調査対象はアメリカ拠点の企業、24業界の平均CVRは2.19%)

No.BtoB業界平均CVRCVRを上げた戦略
1薬物リハビリケア2.1%患者の依存症をどのように克服できたのかを説明する事例や個人的なストーリーズ(患者のプライバシーを保護しながら)公開してSNSで拡散
2BtoB企業向けSaaS1.1%サービスを利用したときの問題解決方法のホワイトペーパーや記事を作成して、リード獲得したユーザーに送付する
3製薬、ヘルスケア、農薬1.8%研究のメリットと成果を説明するホワイトペーパーと事例記事を作成する
4BtoB企業向け保険1.7%ROI表を含めた記事を作成して、企業が保険を導入することでどのような金銭的な価値が生まれるのかを説明する
5建設企業1.9%地域をターゲットにしたコンバージョンを設定して、その地域に適したLP・記事を作成する
6機械や環境、電気工学のエンジニアリング1.2%自社サイトに実際に使用した事例のページを設けて、顧客の問題に対する解決策を説明する
7環境サービス(地域規制や環境への影響削減など)1.3%サービスに関心を持つキーワードや専門キーワードのコンテンツを作成する
8金融サービス(銀行投資など)1.9%FAQを使って質問と回答の独自ページを設置する
9重機1.7%機器を紹介する一連の機能ページを作成する
10高等教育と大学2.8%学生の成功事例や統計データ(卒業率、就職率、平均給与など)、学生の社会・地域貢献活動などを紹介するページを作成する
11冷暖房空調設備サービス3.1%地域をターゲットとしたLPとブログ記事を投稿する
12IoT(産業機器からロボット)2.6%近代化が進んでいることを説明する汚穢とペーパーを利用する
13IT コンサルティング1.5%IT業務を社内ではなく、外部に依頼したほうがなぜ良いのかを説明する
14法律事務所7.4%最近の法律や改正された法律などよく検索されているキーワードの記事を作成する
15製造会社2.2%品質や価格、取引先の企業ロゴ、製品が他社よりも優れている詳細な製品ページを記載する
16医療機器1.6%患者の回復改善に関する臨床研究を引用しながら、一連の問題と解決策を提示した記事を作成する
17石油ガス2.5%技術的なキーワードを選定して記事を執筆する
18PCB 設計(プリント基盤)2.4%PCBに詳しい人が記事を執筆して製品やサービスの必要性をブログとして更新する
19医薬品1.9%製品に関する健康調査の概要をしっかり明示する。また、医師や薬剤師などの監修目線で記事を作成する
20不動産2.7%地元市場の現状と価格と価値の傾向について説明するブログ記事を作成し、四半期ごとに記事を更新する
21ソフトウェア開発1.1%企業が抱える問題点とソフトウェアの投資がどのようにROIを生み出すかを明示する
22太陽光エネルギー1.8%この業界はローカル検索が長けているので、地域キーワードを選定して、オリジナルの記事やLPを作成する
23人材派遣と採用2.9%市場や雇用主の種類、支援する各役職ごとにターゲットとする場所のキーワードを設定して記事を作成する
24輸送と物流1.4%価格や耐久性、安全性などのメリットを他社と比べて高いことを明示する
※データ参照元記事:「B2B Conversion Rates By Industry – 2024」 左記ページに基づき上表を作成

こちらの調査対象は、アメリカを拠点とした企業となります。そのため、日本になると業界にもよりますがもう少しCVRは低くなると思います。理由は、社会問題や法による規制がアメリカよりも日本のほうが厳しいためです。

まず社会問題では、薬物リハビリケアを例とすると、アメリカは日本よりもドラッグなどの依存症の発症率が高いので、アメリカの方がCVRが高くなる傾向になると考えられます。

つづいて法規制では、金融サービスを例にすると、アメリカは金融機関に対する規制は比較的緩やかですが、対して日本の金融機関は安定性を確保するために規制が厳格であるため、やはりアメリカの方がCVRが高くなる傾向になると考えられます。

このように、一概にすべての業界がアメリカの方がCVRが高いとまではいえませんが社会問題や法規制、制限によってCVRが変わってくるので事前に日米の文脈の違いをふまえて、データの各数値を参考にしましょう。

【著者実績を参考に】これまで手掛けたBtoB企業向けコンテンツSEOの平均CVR

つづいて、私が運用する一部業種のCVRをご紹介します

商材の特性や顧客ターゲットの幅、競合環境によってCVRは大きく変わるのであくまで参考例として見てみてください。以下でコンバージョンに設定しているのは、「資料請求」のフォーム申し込みです。

著者実績を参考に①:製造業のCVR

私が実際に運用を行っている製造業(印刷業)のコンテンツSEOでは、主に以下のテーマでコラム記事を作成しています。

● 記事テーマ

【印刷やプリントに関する基礎知識】

  • 印刷デザインのポイント
  • 印刷トラブルの原因や対策方法
  • 用紙の種類 etc…

【経理関連に関わる記事】

  • インボイスの概要や対処方法
  • 領収書の書き方 etc…

【自社サービスの利用実績】

  • 業種別の成功事例

● 製造業のCVR

記事テーマCVR(資料請求)
印刷の基礎知識2.6%
経理関連記事2.0%
自社サービスの利用実績3.5%

他の企業では、直接注文につながるCTAボタンを設置しているところも多いでしょう。

ただこちらの企業ではリード獲得がメインとなっているため、資料請求へのCTAボタンを設置しています。

そうすることで注文よりもユーザーのアクションのハードルが下がるので、CVR向上が見込めています。さらに、CTAボタンを目次下部に設置してCVRの獲得を増やす取り組みをしています。

著者実績を参考に②:SaaSサービスのCVR

こちらは会計支援サービスの企業で、主に以下のテーマの記事を執筆しています。

● 記事テーマ

【自社サービスの利用実績】

  • 業種別の成功事例(サービスを導入することで利益を〇〇倍に)

【調査レポート】

  • 融資を受けるための調査レポート
  • 賃上げに関するアンケート調査 etc…

【企業組織の強化】

  • 良いチームの作り方
  • KPIの設定方法 
  • KGIとは etc…

● SaaSサービスのCVR

記事テーマCVR(資料請求)
自社サービスの利用実績16%
調査レポート1.3%
企業組織の強化2.7%

上表の通り、利用実績の記事で高いCVRを獲得しています。

こちらのクライアントが提供しているサービスは、会計視点でどの箇所が企業売上の足かせになっているのか、どうしたら改善につながるのかがわかるツールになっています。ツールのUI・UXもとてもわかり易くまとめられています。

SaaSサービスの場合、具体的な資料を見たり、サービスを利用しないと良さが理解しにくいという特性があります。そのため利用実績の記事では、サービスの操作や見え方は極力出さずに、このツールを使うことでどれくらいの成果が得られるのかという内容を中心に記事内容を作成しています。こうした効果訴求を通してツールへの関心を高め、CVR向上を図ることに成功しています。

リスティング広告とは

つづいて、リスティング広告の概要や平均CVRについて詳しく見ていきましょう。

まずリスティング広告と聞いて、検索連動型広告と同じ意味として理解されている方が多いですが、リスティング広告とは検索連動型広告とディスプレイ広告の2種類が含まれた広告手法のことを言います。

リスティング広告の媒体には、GoogleやYahoo!などがありますが今回はGoogleに焦点を当ててご紹介します。

この2種類の概要は以下の通りです。

リスティング広告概要課金形式
検索連動型広告特定のキーワードに基づい、広告がテキスト形式で表示されるクリック課金
→ 広告をクリックされたら費用が発生
ディスプレイ広告Googleが提携する200万以上の媒体の広告枠に、画像や動画、テキスト形式で広告が表示されるクリック課金
→ 同上

インプレッション課金
→ 広告が1000回表示されたら費用が発生

ディスプレイ広告の「クリック課金」と「インプレッション課金」について

クリック課金は、広告へのクリックいわゆるWebサイトへの流入をして費用が発生するため、インプレッション課金に比べて無駄なく予算を捻出することができるメリットがあります。そのため、多くのケースではクリック課金が選択されることが多いです。

しかし、BtoB企業で狙うような専門性の高いキーワードの場合、そもそも表示回数を多く確保することができず、思った通りのクリック数を実現できない場合があります。そのような場合でも、インプレッション課金を選択すれば広告の表示回数を確保しやすいので、結果的に幅広い層にリーチでき、クリック数も増やしやすいメリットがあります。

BtoB企業向けのリスティング広告は本当に効果があるの? BtoC業界と比較した際の注意点

BtoB企業向けに実施するリスティング広告は、BtoC業界で実施するリスティング広告と比較して、以下の大きな違いがあります。

①広告クリック数
②CPC(クリック単価)
③CVに至るまでの時間
④ユーザー行動

BtoB企業向けに実施するリスティング広告は、ターゲットが一般ユーザーから法人になるため、広告対象となるユーザーが少なくなります。そのため必然的に、各キーワードの検索ボリュームは限られたものとなり、クリック数も少なくなる傾向にあります。

検索ボリュームが少なくなるということは、それだけ狭い市場の中で争わなければならないので、広告のクリック単価は高くなります。

肌感覚ですが、BtoC業界で実施するリスティング広告のクリック単価は大体200円〜400円程度に対して、BtoB企業向けに実施するリスティング広告のクリック単価は500円〜1000円程度になります。

購入までのプロセスも法人経由になると担当者が複数になったり、決裁権のある人に上申したりする工程が発生するためCVに至るまでの時間が、ToC商材に比べて長くなるといえるでしょう。

ユーザーの行動も大きく変化します。BtoB企業向けの広告では法人がターゲットとなるため、PCユーザーが比較的多くなる傾向があります。また、広告に触れる機会が平日に集中する、時間帯も9:00〜18:00の営業時間になるケースも多いです。

これら4つの違いを踏まえて、うまくリスティング広告を運用してみてください。

BtoB企業向けリスティング広告の平均CVR

ここでは、BtoB企業向けの検索連動型広告とディスプレイ広告の平均CVRをご紹介します。

BtoB企業向け検索連動型広告の平均CVR

First Page Sage が行った調査によると(Average Conversion Rate for Google Ads: 2024 Report)、BtoB企業向けの検索連動型広告は、コンテンツSEOよりもCVRが高くなる傾向があると報告されています。同記事で紹介されているデータは以下の通りです。

● BtoB企業向け「検索連動型広告」 業界別の平均CVR(データ公開は2024年1月、調査対象はアメリカ拠点の企業)

BtoB業界平均CVR(検索連動型広告)
薬物リハビリケア2.1%
自動車3.6%
製薬、ヘルスケア、農薬2.2%
BtoB企業向け保険3.9%
建設企業1.9%
金融サービス(銀行投資など)2.4%
重機1.8%
冷暖房空調設備サービス6.5%
IoT(産業機器からロボット)3.5%
IT コンサルティング1.6%
法律事務所3.9%
製造会社2.0%
医療機器2.4%
石油ガス1.8%
BtoB企業向けSaaS2.4%
輸送と物流2.0%
※データ参照元記事:「Average Conversion Rate for Google Ads: 2024 Report」 左記ページに基づき上表を作成

以下の表は、検索連動型広告とコンテンツSEOの平均CVRを業種別で比較したものになります。

● BtoB企業向け平均CVR 「コンテンツSEO」と「検索連動型広告」(調査対象はアメリカ拠点の企業)

No.BtoB業界①「コンテンツSEO」
平均CVR
②「検索連動型広告」
平均CVR
② – ①
1薬物リハビルケア2.1%2.1% 0.0%
2自動車3.6%
3BtoB企業向けSaaS1.1%2.4% 1.3%
4製薬、ヘルスケア、農薬1.8%2.2% 0.4%
5BtoB企業向け保険1.7%3.9% 2.2%
6建設企業1.9%1.9% 0.0%
7機械や環境、電気工学のエンジニアリング1.2%
8環境サービス
(地域規制や環境への影響削減など)
1.3%
9金融サービス(銀行投資など)1.9%2.4% 0.5%
10重機1.7%1.8% 0.1%
11冷暖房空調設備サービス3.1%6.5% 3.4%
12IoT(産業機器からロボット)2.6%3.5% 0.9%
13IT コンサルティング1.5%1.6% 0.1%
14法律事務所7.4%3.9%-3.5%
15製造会社2.2%2.0%-0.2%
16医療機器1.6%2.4% 0.8%
17石油ガス2.5%1.8%-0.7%
18PCB 設計(プリント基盤)2.4%
19医薬品1.9%
20不動産2.7%
21ソフトウェア開発1.1%
22太陽光エネルギー1.8%
23人材派遣と採用2.9%
24輸送と物流1.4%2.0% 0.6%
※データ参照元記事:「B2B Conversion Rates By Industry – 2024」「Average Conversion Rate for Google Ads: 2024 Report」 左記の両ページに基づき上表を作成

多くの業種では、コンテンツSEOよりも検索連動型広告のほうがCVRが高い傾向にありますが、法律事務所については、コンテンツSEOのほうが良い結果となりました。

これは、広告よりも事例などの課題解決に役立つ情報が重要視されるためと考えます。

BtoB企業向けに法律関連の事業を行う場合は、コンテンツSEOからスタートしたほうが良いかもしれません。

他の業種でも検索連動型広告のほうがCVRは高いですが、広告費用が定期的に発生してしまうので、長期的視点からコンテンツSEOの導入を検討してみても良いかもしれませんね。

BtoB企業向けディスプレイ広告の平均CVR

WordStreamが発表しているGoogleディスプレイ広告の平均CVRは以下のとおりです。

ディスプレイ広告のBtoB業種別のCVRがなかったため、BtoBとBtoC含めた平均CVRを掲載しています。

業界ディスプレイ広告の平均CVR
BtoB0.80%
EC0.59%
自動車1.19%
教育0.50%
医療関係0.82%
法律関係1.84%
観光関係0.51%
テクノロジー0.86%
産業サービス0.94%
BtoCサービス1~2%
マッチング・出会い関係3.34%
※データ参照元記事:「Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]」 左記のページに基づき上表を作成

BtoB業界のCVRは0.8%。さきほどの検索連動型広告の各数値と比較すると、ディスプレイ広告のCVRは相対的に低くなると言うことができそうですね。

まとめ

今回は、コンテンツSEOとリスティング広告、それぞれの平均CVRや目標値の考え方について解説しました。

私個人の経験でいうと、予算の少ないBtoB企業の場合は検索連動型広告から始めることをおすすめします。

リスティング広告はコンテンツSEOよりもCVRが高い傾向にあり、またサイトへの流入数もすぐに増やすことができるので短期的な結果を得られやすいです。

まずは検索連動型広告でキャッシュを作り、一定売上が安定したらコンテンツSEOを始めるのがいいでしょう。

またコンテンツSEOでのサイト流入数やCVRも安定してきたら、検索連動型広告の予算も少しずつ減らしていき、最終的にはコンテンツSEO「7」:検索連動型広告「3」で落ち着くのが良いのかと思います(※私の仕事の経験値に基づく)。

今回の記事が少しでもBtoB企業のWeb施策で役立ってくれると嬉しいです。

※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。

この記事を書いた人