BtoB事業では、コーポレートサイトやオウンドメディアにおけるSEOが重要です。見込み客の多くはWebサイトで情報収集し、その時点で購入の可否をほぼ決定しているとの報告があります。

本記事では、BtoB事業におけるSEOの重要性や取り組み方、委託する場合の業者の選び方などについて詳しく解説します。

BtoB事業におけるSEOの重要性

SEOとは、検索エンジンからサイトへの流入を増やすための対策のことです。適切なSEOを実施することによって、結果的に売上アップにつながります。BtoB事業でSEOが重要な理由と根拠について、詳しく見ていきましょう。

BtoB事業の顧客の多くはWebサイトで情報収集している

トライベック・ブランド戦略研究所が実施した「BtoBサイト調査 2021」によると、製品やサービスなどの情報収集の手段としてもっとも多いのは企業のWebサイトで、66.7%もの人が利用していることがわかりました。

営業員や技術員からの説明が47.0%、カタログやパンフレットが44.6%と続きます。

さらに、「サイト効果」と呼ばれるWebサイトの売上貢献度を示す指標では、BtoBサイトがBtoCサイトを大きく上回っています。平均的なBtoCサイトのサイト効果が7.7%であるのに対し、BtoBサイトの平均は27.6%です。

したがって、BtoB企業がWebサイトに対して積極的に取り組むことは極めて重要と言えるでしょう。

購入の可否に大きな影響を及ぼす

Googleの「B2B マーケティングにおけるデジタルの進化」によると、BtoBの見込み客が企業の営業担当者と面談する前に、製品やサービスの購入を決定している割合は57%です。面談前に半数程度の人はすでに購入の可否を決定していることから、情報収集の段階でいかに魅力的かつ的確な情報を伝えるかが重要と言えるでしょう。

BtoB事業でSEOに取り組むメリット

SEOは、少ない費用で大きな効果が期待できるうえに、時代の変化に合わせてコンテンツの内容を変更できます。BtoB事業でSEOに取り組むメリットについて、詳しく見ていきましょう。

費用対効果に優れている

SEOは、低費用で大きな効果を期待できるマーケティング手法です。例えば、リスティング広告はクリックの度に費用が発生するため、長期間にわたり購入につながらなければ損失を受ける可能性があります。

一方、SEOはコンテンツを制作する際に費用がかかりますが、通常は1~2件でも購入につながれば損益分岐点を超えるように予算を設定します。そのうえ、クリックの度に費用がかかることもありません。

検索エンジンの上位表示を維持できれば継続的に売上が発生し、コストパフォーマンスはより一層高まります。ただし、上位表示するにはターゲットにとって有益な情報を適切な形でコンテンツに取り入れる必要があります。

十分な知識や技術がないのにSEOを行うと、上位表示できないコンテンツを大量に作成することになり、いつまで経っても利益を得られない事態に陥りかねません、そのため、費用対効果に優れているというのは、有効なSEOを行うための知識や技術を持っている場合に限ります。

時代に合わせて内容を容易に変更できる

Webコンテンツは、時代や市場の変化に合わせて内容を容易に変更できます。たとえば、法改正や新技術の登場、トレンドの変化などの際にコンテンツをリライトし、最新情報をターゲットに提供することで、企業やメディアの信頼性が高まります。

このように定期的にリライトをして最新情報を維持することは、上位表示の維持や上位表示化にも役立ちます。

例えば、BtoBのITコンサルティング企業がクラウド技術に関するコンテンツを作成するとします。クラウド技術そのものの発展や新たな視点から新技術が登場するケースがあるため、放置するとコンテンツの価値は下がっていくでしょう。最新のクラウド技術やトレンド情報をコンテンツに追記すれば、コンテンツの鮮度の維持が可能です。

企業イメージの向上につながる

検索上位表示されたコンテンツは、多くの人の目に触れます。例えば、ITコンサルタントが情報を検索する度に同じ企業のサイトが上位表示されていれば、その企業に対するイメージアップにつながります。

これを実現するためには、関連キーワードで検索した際に上位表示されるコンテンツの作成が必要です。たとえば、「ITコンサルティング」の関連キーワードは以下のとおりです。

  • itコンサルティング 企業
  • itコンサル やめとけ
  • itコンサルタント 年収
  • itコンサルティング 保険
  • itコンサルタント 向いている人
  • itコンサルタント 資格
  • itコンサルタントになるには
  • itコンサルタント 大手

上記のうち、半数以上のキーワードでコンテンツを上位表示させることができれば、ITコンサルティングに関して権威性や専門性が高い企業といったイメージを与えられるでしょう。また、コンテンツの中に関連するコンテンツへの内部リンクを貼ることで、そのサイト内で知りたい情報をすべて入手できるようになり、企業に対するイメージがさらに向上します。

BtoB事業においてSEOの効果を高めるためのポイント

BtoB事業のSEOは、ただ実践すれば成果が出るわけではありません。よくあるのが、目的やターゲットなどを明確にせず、とりあえず関連する情報を含むコンテンツを作成することです。そのようなコンテンツを作成しても上位表示はできず、結果が出ないために早期に予算が尽きてしまうでしょう。

BtoB事業においてSEOの効果を高めるために、次のポイントを押さえることが大切です。

ターゲットユーザーの明確化

BtoB事業におけるSEOの効果を高めるためには、まずターゲットユーザーを明確にすることが重要です。ターゲットユーザーを明確化することで、コンテンツの作成や戦略の方向性を定めることができます。

ターゲットユーザーとは、企業がサービスや製品を提供する対象となる顧客のことです。例えば、BtoBのIT企業が自社のクラウドサービスを販売する場合、ターゲットユーザーは情報システム部門や経営層などになります。

ターゲットユーザーを明確にしなければ、ターゲットが不要な情報をコンテンツに入れてしまい、読みづらくなったり必要な情報にたどり着くまでに時間がかかったりして、離脱率が高まります。

ターゲットユーザーを明確にすることで、どのようなコンテンツが必要か、どのようなキーワードを選定すべきかなどが明確になります。また、ターゲットユーザーが抱える課題やニーズを理解しやすくなり、より効果的なコンテンツを提供できるようになるでしょう。

さらに、カスタマージャーニーという考え方も重要です。カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを購入するまでの過程をマッピングし、顧客の体験や行動を理解することです。これにより、顧客が検索するキーワードや情報のニーズを把握し、それに合ったコンテンツを作成できるようになります。

顧客のニーズを満たしたキーワードを選定する

BtoB事業におけるSEOの効果を高めるためには、顧客のニーズに合致したキーワードを選定することが不可欠です。顧客のニーズを満たしたキーワードを選定しなければ、上位表示に成功したとしても売上にはつながりません。

キーワードは、次の4つのカテゴリーに分類できます。

  • 課題解決
  • 効果
  • 費用
  • 用語の意味

それぞれの特徴について、例を交えて詳しく見ていきましょう。

課題解決

課題解決のキーワードでは、顧客の課題を解決できる情報を提供するコンテンツを作成します。例えば、データセキュリティに課題を抱えているターゲットに対しては、次のようなキーワードが考えられます。

  • データセキュリティ 強化
  • データセキュリティ 効率化
  • データセキュリティ 方法

課題解決を目的としたコンテンツには、自社サービスや製品などへの導線を組み込み、最終的に購入や申し込みにつながるよう構成することが大切です。たとえば、「データセキュリティ 強化」のキーワードの場合は、データセキュリティの強化の方法やメリット、注意点、流れ、サービスなどを解説し、そのなかで自社のデータセキュリティを高めるサービスや製品の詳細ページへのリンクを貼ります。

効果


キーワードにおける効果は、自社のサービスや製品、またはそれらが属するジャンルにおいて、導入効果やメリットについて解説するコンテンツです。例えば、営業支援ツールを提供する企業の場合、次のようなキーワードが候補となります。

  • 営業支援ツール 効果
  • 営業支援ツール メリット
  • 営業支援ツール 必要
  • 〇〇(自社製品の名称) 効果

これらのキーワードで検索するターゲットは製品やサービスに興味を持っている段階のため、効果やメリットを的確に伝えることで購入意欲を高められ、自社製品やサービスへと誘導できます。

効果やメリットを全面的に打ち出すのは良いのですが、デメリットや注意点も伝えなければ都合が良い情報に偏った記事と見なされ、不信感を与える可能性があります。そのため、ターゲットが自身に適しているかどうかを判断できるように、効果やメリットをメインとしつつも、デメリットや注意点も伝えることが大切です。

そのうえで納得して購入した製品やサービスは、返品や契約解除のリスクが低く、結果的に企業の長期的な利益につながります。

費用

費用は、製品やサービスの導入や購入にかかる費用に関心を持つターゲットが検索するキーワードです。例えば、クラウドサービスを提供する企業のターゲットは、以下のようなキーワードで検索します。

  • クラウドサービス 導入費用
  • クラウドサービス ランニングコスト
  • クラウドサービス 解約 違約金
  • 〇〇(クラウドサービスの名称) 費用

上記のように、費用について網羅的に解説したコンテンツが求められます。導入費用や月額料金、メンテナンス費用、解約時の違約金など、お金に関することは網羅しましょう。また、可能であれば割引やお得なセットプランなど、ターゲットにとって魅力的な情報も取り入れることが大切です。

用語の意味

キーワードにおける用語とは、製品やサービスの名称、またはそのなかで使用する専門用語などのことです。たとえば、AIツールを提供する企業の場合、ターゲットは次のような用語の意味を検索する可能性があります。

  • ブロックチェーンとは
  • AI 人工知能 違い
  • ディープラーニングとは
  • 機械学習とは
  • ChatGPTとは

それぞれの用語の意味や読み方、由来などを詳しく解説します。また、関連する用語から別の用語を解説するコンテンツへ内部リンクを貼り、サイト内回遊を増やすこともポイントです。

ロングテールキーワードを主軸にする

ロングテールキーワードとは、複数のキーワードを組み合わせた月間検索数が少ないキーワードのことです。たとえば、「営業支援ツール 使い方」「営業支援ツール 活用 事例」など、2~3個のキーワードを組み合わせたものが該当します。

一般的に組み合わせるキーワード数が多くなるほどに月間検索数も少なくなります。1語のキーワードと比べて競合が少ないため、検索上位表示をさせやすいことがメリットです。ロングテールキーワードの月間検索数に定義はありませんが、1,000回未満が1つの目安と言えるでしょう。

ロングテールキーワードは、組み合わせるキーワードが多い分、情報を絞り込んでコンテンツを作成できるため、不要な情報を入れることで読みづらくなるリスクを抑えられます。

例えば、「AI」だとAIについて網羅的に解説する必要があるため、情報の過不足が発生しやすいでしょう。「AI メリット」もAIのメリットについて深く掘り下げることになるため、情報不足が発生する可能性があります。

「AI 業務効率化 事例」であれば、AIを使って業務効率化した事例を紹介するコンテンツを作成すればよいため、情報不足になりにくいでしょう。このように、コンテンツの作成におけるミスのリスクが低いことも、ロングテールキーワードを中心にコンテンツを作成するメリットです。

企業イメージに沿った文体やデザインにする

企業のWebサイトやオウンドメディアは、企業のイメージに合わせた文体やデザインを採用することが重要です。ブランドの統一性を高めることで、ターゲットの記憶に残りやすくなります。

たとえば、さまざまなキーワードで検索上位を獲得している労務管理ツールを提供する「カオナビ」のオウンドメディアは、見出し背景がイエローで、背景は薄いグレーです。また、若干の丸みがある優しいイメージのフォントを使用しています。

関連キーワードで検索するとカオナビのメディアのコンテンツを閲覧することが多いため、この配色のページにアクセスした時点でカオナビのサイトだとわかります。また、「労務管理分野において信頼性が高い企業」印象づけられます。

配色やフォントなどについては、ターゲットの属性や取り扱っているサービスや製品などを踏まえて設定しましょう。たとえば、保険会社や銀行などは、クリーンなイメージを与えるためにブルーやグリーンがメインなサイトが多くみられます。

IT全般やマーケティング支援などの企業は、企業のテーマカラーを採用している傾向があります。

必要な情報をスムーズに入手できるようにする

オウンドメディアのSEOコンテンツは、ターゲットが求める情報をスムーズに入手できるように構成することが大切です。例えば、箇条書きや表、グラフなどを活用しましょう。

また、コンテンツのファーストビューに目次を表示させて、必要な情報を入手できる見出しへ遷移できるようにすることも重要です。

さらに、サイト内回遊を促すために、検索機能や内部リンク、人気コンテンツのランキング表示なども有効です。

必要な情報をスムーズに入手できるようにすることで離脱率を低下させられるため、製品やサービスの購入につながりやすくなります。

E-E-A-Tを満たした記事を作成する

E-E-A-Tは、Googleの検索順位を決める評価基準の1つで、以下4つの要素で構成されています。

  • Experience(経験)
  • Expertise(専門性)
  • Authoritativeness(権威性)
  • Trustworthiness(信頼性)」

これらの指標が優れているコンテンツは、Googleの検索結果に上位表示されやすくなります。

「Experience(経験)」は、コンテンツ作成者が実体験をもとに作成しているかが焦点となります。例えば、RPAの導入支援を10年行っている企業の代表者が作成したコンテンツは、導入支援を行っていない人物が作成したコンテンツよりもExperience(経験)において優れています。

次に、「Expertise(専門性)」は、コンテンツ作成者が内容に関する豊富な知識や技術を持っているかが焦点となります。例えば、営業実績が豊富な企業が作成した営業支援サービスのコンテンツはExpertise(専門性)において優れています。

「Authoritativeness(権威性)」は、知名度が主に影響する指標です。たとえば、業界で有名な企業が作成したコンテンツはAuthoritativeness(権威性)において優れています。

最後に、「Trustworthiness(信頼性)」は、情報の信頼性やページの安全性が焦点となります。誤った情報や犯罪を目的としたコンテンツを提供していないか、HTTPS接続を使用しているかなどに注目されます。

PDCAを回す

SEOの効果を高めるためには、PDCAサイクルを回すことが不可欠です。まず、Plan(計画)で明確な目標を設定し、競合分析やキーワードリサーチを行います。次に、Do(実行)では選定したキーワードを活用したコンテンツ作成やページ最適化を実施します。

その後、Check(評価)でトラフィックやコンバージョン率を詳細に分析し、最後にAction(改善)で分析結果に基づいてコンテンツやサイトの最適化を行います。

BtoB事業のSEOで競合に勝つためのポイント

BtoCと比較してBtoBで狙いたいワードは専門性が高く、圧倒的に月間検索数が少ないため、競合がひしめく中どのように自社の強みを出すことができるのかが重要です。自社の強みを出してコンバージョン率を高めるポイントについて、詳しく見ていきましょう。

アンケート調査・インタビュー記事・導入事例などの独自情報を取り入れる

アンケート調査によって独自情報をコンテンツに取り入れることで、競合と差別化できます。例えば、クラウドサービスを利用している企業の数や導入した結果について、第三者機関にアンケート調査を依頼します。そうして得たデータは付加価値が高いため、企業の信頼性アップにつながります。

製品やサービスを実際に導入した企業のインタビュー記事や導入事例へのリンクを付けることも効果的です。インタビュー記事や導入事例のような一次情報は、ターゲットにとって製品やサービスが自社に適しているかどうかの判断に多いに役立ちます。

例えば、製品やサービスの情報を記載したコンテンツに導入事例へのリンクを貼ります。導入事例では、製品やサービスを導入した理由や課題、結果、感想などを網羅的に記載しましょう。

他社とは異なる取り組みをアピールする

競合と差別化するためには、自社製品やサービスの独自性を適切にアピールすることが不可欠です。顧客に他社との違いを明確に伝えることで、その価値を理解しやすくなり、信頼感を高めることができます。

例えば、独自の環境配慮型製品を販売している場合、従来の製品と比較して環境への負荷が低いことをアピールします。研究機関によるデータがあれば、さらに信頼性を高めることができるでしょう。

動画コンテンツを取り入れる

動画コンテンツ市場は急速に拡大しており、ユーザーが動画によって情報を入手することが一般化しつつあります。動画は、文字だけのコンテンツよりも情報が短時間で伝わります。また、YouTubeチャンネルと連動させることで、再生数アップにもつながるでしょう。

検索エンジンにおいても動画コンテンツの重要性が高まっており、SEOの観点から積極的に取り入れることが望ましいとされています。

検証記事を作成する

検証記事は、ユーザーにとって付加価値が高い情報を得られるため、競合との差別化につながります。例えば、AツールとBツールの特徴やメリット、デメリット、費用などを比較し、向いている企業・向いていない企業について解説することで、より最適な製品を選択しやすくなります。

検証記事のパターンはかなり豊富であるものの、検索されていないキーワードでコンテンツを作成してもアクセスは見込めません。「営業支援ツール 比較」でコンテンツを作成し、そこに「AツールとBツール」「AツールとCツール」などの比較記事の内部リンクを貼るとよいでしょう。

SEOのゴールを設定する

SEOの効果的な展開には、明確なゴール設定が不可欠です。例えば、問い合わせ件数や特定コンテンツのダウンロード数を増加させることが一般的な目標となります。具体的な数値目標を設定し、逆算して必要な施策を検討します。

BtoB事業におけるSEOのよくある失敗

BtoB事業においてSEOに取り組む際は、次のような失敗をしないよう注意が必要です。

Web検索しない顧客が多いのにSEOに注力した

Web検索を行わない顧客が多い場合、SEOに注力しても効果は期待できません。例えば、特定の業界や地域では口コミやネットワークを通じて情報を入手します。

このような場合、Web検索以外のマーケティング戦略を組み合わせることが重要です。例えば、展示会やセミナー、ダイレクトメールや電話営業などの手法があります。

すぐにやめてしまった

SEOの効果が現れるまでには、最低でも3カ月はかかります。また、実際にコンバージョンが発生するまでには1年以上かかることも珍しくありません。効果が現れないと諦めてしまえば、これまでに作成したコンテンツが資産として残らないため、無駄に予算を消費したことになります。

SEOに取り組む際には、継続的な努力と忍耐が必要です。コンテンツの充実化、被リンクの獲得など、さまざまな施策を継続的に実施することで、徐々にSEOの効果が現れるようになります。

強力な競合に真っ向勝負を挑んだ

競合のドメインパワーが高い場合、同じキーワードで競争するのは非効率です。また、予算が豊富な大企業に対して、中小企業が真っ向勝負を仕掛けることも効率的ではありません。

このような場合、ロングテールキーワードやニッチなキーワードで上位表示を狙ったり、インタビュー記事や導入事例などを積極的に取り入れたりすることが有効です。

社内体制を構築できていない状態でスタートした

SEOに対する理解や意識が低い状態で開始すると、効果的に施策を実行できません。SEOの責任者やチームを設置し、戦略の策定や実行を担当する体制を整えることが大切です。また、SEO業者に任せるのも1つの方法です。

自社の特徴を活かせないキーワードを選んだ

自社の特性を十分に考慮せずにキーワードを選定すると、上位表示が難しくなります。例えば、物流会社が販売方法に関するキーワードを選定した場合、一般的な販売会社や小売業者の方が上位表示されやすいでしょう。

このような失敗を避けるためには、自社のビジネスやサービスの特徴を十分に理解し、関連性が高いキーワードを選定する必要があります。

SEO業者に丸投げした

SEO業者に丸投げする際に失敗する企業の多くは、十分なコミュニケーションを行わず、業者との連携が不十分なまま作業を進めています。企業と業者の間で密な連携が必要であり、企業側が自社のビジネスや目標を十分に伝えることが重要です。また、進捗や成果に関する情報を定期的に共有し、問題や課題については早めに対処しなければなりません。

個人に外注する際に人件費が多額になった

個人事業主のライターにSEOの作業を外注する際に、人件費が多額になってしまう場合があります。外注先の選定方法がわからず、要件を満たしたコンテンツを納品しないライターを選んでしまうケースは少なくありません。

また、ライターとのコミュニケーションや業務の調整にも時間がかかることがあります。急にライターが業務を辞めたり、依頼内容に不満を持ったりして、その対応に追われることもあるでしょう。

BtoB事業のSEOを業者に任せるときのポイント

BtoB事業のSEOを業者に任せる場合は、次のポイントを押さえて、最適な業者を選びましょう。

実績を確認する

BtoB事業のSEOを業者に任せる際には、実績を確認することが重要です。プロジェクトの内容と結果、得意分野、自社の業界に詳しいかなどを確認しましょう。

また、最新のSEOトレンドやアルゴリズムの変化に対応できる能力や、効果的なキーワード分析やコンテンツ戦略を立案する能力も確認が必要です。

ただ、専門性と実績の両方に問題がないライターを見つけるのが第一ですが、BtoBはニッチなテーマが多いため、完全にニーズにマッチしたライターを見つけることは困難です。仮に見つかったとしても、依頼費用が高すぎる可能性もあります。

ある程度の経験があるライターであれば、経験のないジャンルの制作にも対応できます。「専門性や実績がないから外注先として不適切」と決めすぎるのは悪手であることを理解して、外注先を選びましょう。

ミーティングの頻度やサポート体制を確認する

BtoB事業のSEOを業者に任せる際に、ミーティングの頻度やサポート体制を確認することが重要です。定期的なミーティングが行われることで、プロジェクトの進捗状況や課題、次のステップなどについて適切に議論し、アクションを起こすことができます。

さらに、サポート体制についても確認しましょう。緊急時の対応や質問への回答など、必要なサポートが適切に提供されるかどうかがポイントです。

検索上位表示とコンバージョンを目指しているか確認する

業者にSEOを任せる際には、業者が検索上位表示とコンバージョンの獲得を目指しているかを確認することが重要です。

一部の業者は、上位表示するにはボリュームが不足している記事を納品したり、そもそもコンバージョンにつながらない効果の低いキーワードを選定したりする場合があります。

テスト発注する

自社との相性や成果が出るかどうかなど、さまざまなことに不安を感じる場合は、テスト発注することが有効です。記事を1本だけでも発注してみることで、品質を確認できます。

SEOの効果を確認するには時間がかかるため、頻繁に業者を変更することは好ましくありません。しかし、記事1本のテスト発注であればそれほど費用もかからないため、定期的に行ってみてもよいでしょう。

成功までの道筋を設計してからSEOを始めよう

SEOで成功するためには、成功までの道筋を設計することが先決です。目標を設定し、ターゲットオーディエンスを把握したうえで競合を分析して、差別化できるコンテンツを作成します。そして、成果を定期的に測定して評価し、改善を繰り返しましょう。

※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。

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