通販サイトやECサイトの商品パッケージに同梱・同封される広告は、高い開封率とターゲティング精度で近年見直されている広告手法です。SNSやWEB広告が主流となった現代においても同梱・同封広告は独自の強みを持ち、高い費用対効果が期待できます。

今回は同梱・同封広告の種類や、ターゲット別の活用方法、活用のポイントまで解説します。

同梱・同封広告とは

「同梱広告」とは、通販サイトやECサイトで商品を購入したユーザーに届く商品パッケージの中に、広告やクーポン、カタログなどを同梱して配布する広告手法です。購入した商品と関連性の高い情報を同時に届けることで、追加購入やブランド認知の向上が期待できます。

一方、「同封広告」とは、通販カタログや会報誌、クレジットカードの利用明細書などの封書に広告を同封して送付する広告手法です。特定のターゲット層に対して、ダイレクトに情報を届けることができます。

同梱広告が活用される主な媒体

  • 通販商品のパッケージ
  • 定期購入サービスの配送箱
  • ギフトセット

同封広告が活用される主な媒体

  • 通販カタログ
  • 会報誌
  • クレジットカードの利用明細書
  • 定期購読誌

同梱・同封広告のメリットは、すでに購買行動を起こしているユーザーに購入した商品と関連性の高い広告を届けられるため、高いコンバージョン率が期待できる点です。

しかしSNSやWEB広告が主流の現代において、なぜ女性向けに紙の同梱・同封広告が注目を集めているのでしょうか。その効果について詳しく解説します。

なぜ同梱・同封広告が効果的なのか

同梱・同封広告には以下のような独自の強みがあります。

開封率がほぼ100パーセント

購入商品と一緒に届くため、必ずユーザーの目に触れます。これは他の広告手法ではなかなか実現できない大きな利点です。

ターゲティングの精度が非常に高い

実際の購買行動に基づいてアプローチができます。例えば、ファッション通販サイトの利用者には美容商品の広告を、ベビー用品の購入者には育児関連商品の広告を届けることが可能なため、興味関心の高いユーザーに効率的にリーチできるのです。

DMと比べて低コスト

すでに配送が確定している商品に同梱するため、単独での配送費用が不要です。郵送料も高額になっている今、通常のDMと比較して低コストで発送でき、費用対効果に優れています。

ポジティブな印象を与えやすい

商品の受け取り時は、ユーザーの心理状態が最もポジティブな時です。この瞬間に広告に接触できることで、ブランドへの好意的な印象形成につながります。

高いリーチとリピート促進

通販サイトの既存顧客に直接アプローチできるため、関連商品の購入やリピート購入を効果的に促すことができます。また、大手ECサイトの場合、数万部から数十万部規模での配布が可能です。

このようにメリットがたくさんある同梱・同封広告ですが、ターゲットに合わせて媒体を選ぶことで、さらに大きな効果が期待できます。

ターゲット別!同梱・同封広告の種類と最適な使い方

同梱・同封広告の効果を最大限に引き出すためには、ターゲット層に合わせた媒体選択が大切です。

Z世代にはアパレル・コスメ関係のECサイト、キャリアウーマン向けには定期購入のECサイト、育児中のママには通販カタログなど。自社の商品やサービス、ターゲットに合った媒体を選定しましょう。
主要なターゲット層ごとにおすすめの広告媒体を次に紹介します。

Z世代向け同梱・同封広告4選

デジタルネイティブとして知られるZ世代だからこそ、自分だけに届く特別感のある紙の広告物に強く反応する傾向があります。そんなZ世代にリーチできる代表的な同梱広告媒体をご紹介します。

ZOZOTOWN

画像出典:https://zozo.jp/

ファッションECの代表格として、特にZ世代からの支持が高い媒体です。アパレルやコスメ関連商材との相性が抜群で、トレンドに敏感な若年層へのアプローチに最適です。

SHOPLIST

画像出典:https://shop-list.com/

利用者の95%が女性で、特に25歳前後の若年層が中心となっています。ファストファッションやトレンド商品を好む層へのアプローチが可能です。

セブンネットショッピング

画像出典:https://7net.omni7.jp/top

セブン&アイグループが運営するネットショッピングサイトの利用客は、20代女性〜40代が多くなっています。書籍や雑貨など、幅広いジャンルの商材でのアプローチが可能です。開封率は100パーセントで、同梱されるのは1枠のみ。他社のチラシにまぎれることなく訴求が可能となります。

タワーレコードオンラインショップ

画像出典:https://tower.jp/

推し活動を重視するZ世代に、タワーレコードの同梱広告は有効です。音楽・エンタメに関心の高い若い女性の利用が多く、カルチャー関連商材との親和性が高い媒体といえます。ネットショッピングの同梱のほかに、レシート広告や店内のフリーマガジン、店内配布のサンプリングなども効果的です。

キャリアウーマン向け同梱・同封広告5選

キャリアウーマンは、時間的制約がある中でも自己投資を惜しみません。品質の高い商品やサービスを選ぶ傾向にあり、ファッションやビューティー、自己啓発など、自分磨きに関連する通販サイトの利用が多いです。そんな女性たちにおすすめの媒体は以下の5つです。

高島屋

画像出典:https://www.takashimaya.co.jp/shopping/

タカシマヤサロン本誌に、リーフレットやパンフレットを同梱できるサービスがあります。百貨店ならではの品質の高さと信頼性で、富裕層の支持を集める媒体です。上質なライフスタイルを求める層へのアプローチに最適です。

ベルーナ

画像出典:https://belluna.jp/

ファッションカタログ「ベルーナ」は40〜60代の女性をメインターゲットとしています。アパレル・雑貨が主力商品ですが、食品や金融、不動産なども幅広く取り扱っており、キャリアウーマンに感心の高いジャンルでの訴求が可能です。同梱サービスは商品同梱とカタログ同送の2種類を提供しています。

ナースリー

画像出典:https://www.nursery.co.jp/

ナースリーは看護師向けの通販カタログを無料で全国の病院や医療施設に配布しています。法人向けチラシ同梱広告のサービスを展開し、看護師や医療従事者に向けて効果的にアプローチできる媒体です。同グループの「アンファミエ」はDM発送にも対応しています。

三越伊勢丹

画像出典:https://www.mistore.jp/shopping

三越伊勢丹グループでは、パンフレットやリーフレットを会員に直接届けるサービスや利用明細書にリーフレットを封入するサービスなど、同梱・同封広告を複数展開。ロイヤリティの高い優良顧客層へのアプローチが可能です。

クレジットカード利用明細への同封

JCB、三井住友カード、大手銀行系クレジットカードなどの会員誌へ広告を同封できます。部数やターゲットはカード会社によって異なるため、自社のサービスに合ったカード会社を選定しましょう。多くの場合、年齢・性別・地域などでのセグメントが可能です。

育児中のママ向け同梱・同封広告5選

育児中のママは、時間的な制約や外出の困難さから通販サービスの利用頻度が高い層です。特に食材宅配や育児用品、ファッションアイテムなど、日常生活に直結するジャンルでの利用が目立ちます。そんな育児中のママにリーチできる代表的な同梱広告媒体をご紹介します。

Combi mini

画像出典:https://www.combimini.com/

産前・産後の女性向け通販「マタニティ&ベビー通販Combi mini」の商品購入者に対して、同梱広告が可能です。月間25,000部の配布があり、妊娠期から育児期の女性に確実にリーチできます。

オイシックス・ラ・大地

画像出典:https://www.oisixradaichi.co.jp/

オイシックスは食材を定期宅配してくれるサービスで、30~50代の働く女性やママに人気です。離乳食、ヴィーガン商品、規格外食材の加工品などを扱っているため、食品や日用品などの生活必需品の訴求におすすめです。

ベルメゾン

画像出典:https://www.bellemaison.jp/

登録会員約1500万人を誇る大手通販サイトです。30代~50代の女性がメインターゲット。ファッションだけでなく子供服やベビーグッズ、インテリア用品なども展開しているため、幅広い商材での訴求に適しています。

お名前シール製作所byレスタス

画像出典:https://www.onamaeseal.jp/

入園・入学準備の名前付け商品を購入した顧客に対して、チラシやパンフレット、サンプル品の同梱が可能です。主な顧客は25~44歳のママ層。教育関連商材との親和性が高いのが特徴です。

たまひよ

画像出典:https://shop.benesse.ne.jp/

たまひよは、株式会社ベネッセコーポレーションが展開する妊娠・出産・育児に関する情報を提供するブランド。月刊誌「たまごクラブ」と「ひよこクラブ」を発行し、通信販売カタログに同梱広告を掲載できます。育児に特化した媒体のため、ベビー用品やママ向け商品の訴求に最適です。

健康志向な女性向け同梱・同封広告3選

健康やウェルネスへの意識が高まっている女性たちは、オーガニック食品や自然派コスメなど「体に良いもの」への投資を惜しまない傾向にあります。食の安全性や品質にこだわり、より良い生活習慣を求める女性たちにリーチできる広告媒体をご紹介します。

らでぃっしゅぼーや

画像出典:https://www.radishbo-ya.co.jp/shop/

有機・低農薬野菜や果物、無添加食品などを扱うらでぃっしゅぼーや。子育て中の女性や健康志向の世代がメインターゲットです。定期宅配サービスが人気で、オーガニック商品やナチュラル系の商材との相性が特に良い媒体です。

大地を守る会

画像出典:https://takuhai.daichi-m.co.jp/

食材宅配サービス「大地を守る会」で届けられる食材は、厳格な基準で有機・無農薬野菜に特化しています。安心・安全な食材を求める富裕層がターゲット。食材と一緒にカタログやチラシ類を同梱して届けることができます。

総合通販サイト「ニッセン」

画像出典:https://www.nissen.co.jp/

30~50代の女性にアプローチできる商品同梱広告を展開。年間390万個以上の商品発送実績があり、健康関連商品からビューティーケアまで、幅広い商材での訴求が可能です。

通販同梱広告マーケティング会社

同梱・同封広告に興味はあっても、何から手を付けて良いか分からないという方には、企画・運用を依頼できる広告代理店がおすすめです。各社それぞれに強みが異なるため、目的や予算に応じて代理店を選択しましょう。

問い合わせの際は、以下の点を明確にしておくと、より具体的な提案を受けることができます。

  • 想定するターゲット層
  • 配布希望部数
  • 予算感
  • 配布希望時期
  • 広告のサイズや形態

同梱・同封広告広告の料金相場は?

同封同梱広告の料金は、商品と一緒に梱包する「同梱広告」と、チラシやカタログを封筒内に入れる「同封広告」によって異なります。おおよその相場をご紹介します。

基本料金の目安

商品と一緒に梱包する同梱広告は、一般的に1枚あたり5円~25円、富裕層向けでは20円~80円程度です。一方、一般的な同封広告は1枚あたり5円~15円、富裕層向けでは15円~50円が相場となっています。

ただし、これらは同梱・同封のみの相場であり、広告の制作や印刷の費用は含まれていません。実際の費用は、媒体の種類や発行部数、広告用紙の種類やサイズ、セグメント条件などによって変動します。また、最低発注部数が設定されていることが多く、初回の広告出稿では50万円~200万円程度の予算が必要となる可能性があります。

他の広告手法との比較

同封同梱広告はDMと比較すると低コストです。DMの場合、1枚あたり85円~110円程度かかるのに対し、同封同梱広告は前述の相場で実施可能です。新聞折込やポスティングと比べると単価は高くなりますが、ターゲティングの精度や開封率の高さから、費用対効果は優れていると言えます。

広告費用を抑えるためには、年間契約を結ぶことや、広告代理店のキャンペーンを利用するなどの工夫も効果的。予算と目的に応じて、最適なプランを検討することをおすすめします。

同梱・同封広告を実施するときのポイント

同梱・同封広告でさらに効果を上げるためには、以下の3つのポイントを押さえましょう。

誰にいつどんな内容を届けるか

ターゲット層の特性や、商品の購入タイミングを理解することが成功のポイントです。例えば、0歳児の育児用品を購入した層には、成長に合わせた関連商品を訴求します。季節商品の購入者には次のシーズンの提案を行うなど、購買タイミングに合わせた適切な提案が効果を高めます。

興味を引く仕掛けをつくる

いかにもDMらしい商品案内では読まれない可能性があります。サンプルの同梱や、期間限定クーポン、お試し価格の提示など、受け取った人のアクションを促す工夫を盛り込みましょう。また、商品を受け取る瞬間の高揚感を活かした魅力的な訴求も効果的です。

効果測定ができるようにする

広告効果を正確に把握するために、クーポンコードの使用や、専用の申込みフォーム、QRコードによる誘導など、レスポンスを測定できる仕組みを組み込むことが重要です。これにより、次回の施策改善にも活かすことができます。

以上のポイントを意識しながら、自社の商品やサービスに最適な同梱・同封広告を設計していきましょう。

同梱・同封広告を最大限活用して成果を引き出そう!

デジタル広告が主流の現代だからこそ、同封同梱広告の価値が高まっています。確実な開封率、高いターゲティング精度、コストパフォーマンスの良さを活かし、自社のマーケティング戦略に組み込んでみてはいかがでしょうか。
媒体選定、クリエイティブの工夫、効果測定の仕組みづくりなど、細かな準備は必要になりますが、それ以上のリターンが期待できる広告手法です。ぜひ、自社のサービスにぴったりの同梱・同封広告の活用を検討してみてください。


※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。

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