ライターの小林と申します。2年以上ホワイトペーパーを中心に受注し、これまで30本ほど制作に携わりました。成果物を評価いただき、ありがたいことに1年以上継続的にご発注いただいている法人様もいます。

普段はライターとしてライティングを軸に置きつつも、実はPowerPoint等の資料デザインを整える仕事もしています。そんな二刀流で培ったスキルが最大限活かせる分野がこの「ホワイトペーパー」の仕事。

そんな私から、今回は一般的なホワイトペーパー制作の話に加え、実際に制作に携わる“中の人”の視点で「この工程が重要!」「制作過程でこんなことを考えています!」などをお伝えできればと思います。

ホワイトペーパーを制作する担当になった方はもちろん、制作を依頼する立場の方も「依頼時の勘どころ」や「成果物レビューの品質を上げる」ための着眼点を含んだ内容になっておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

ホワイトペーパーとは

ホワイトペーパーは、見込み顧客の課題やニーズに対して役立つ情報を提供する報告書です。主に、専門的なノウハウや調査結果などが記載されており、PDF形式の資料として配布されることが多いです。

ホワイトペーパーの役割

BtoBマーケティングにおいて、ホワイトペーパーの役割は2つあります。

1つ目はリード獲得。

ホワイトペーパーのダウンロードと引き換えに、名前や連絡先などの情報を収集します。リードの獲得で、見込み顧客との接点を作ります。

2つ目はナーチャリングです。

見込み顧客へ興味関心のある情報を提供して、コミュニケーションを深めます。

信頼関係を構築しながら、自社の製品やサービスの購買意欲を高めていくプロセス(メルマガやウェビナー等)にも、ホワイトペーパーが活用されています。

ホワイトペーパーの種類

ホワイトペーパーは、企画によってさまざまな種類があります。ここでは、代表的な種類を7つご紹介します。

種類概要企画例

ノウハウ提供型
見込み顧客の課題を解決するノウハウをまとめた資料人事業務の効率化を進める帳票デジタル化の3つのポイント

事例紹介型
自社商品の導入事例や活用事例をまとめた資料成功事例に学ぶ!中小企業におけるワークフロー導入事例集

製品比較型
自社商品と競合する商品の機能やサービスなどの比較をまとめた資料もう迷わない!中小企業が選ぶべきクラウドサービス徹底比較

ツール提供型
顧客の業務に役に立つチェックリストやテンプレート、用語集などのツールとなる資料失敗しないプロジェクト管理のための進捗管理テンプレート

入門ガイド型
自社商品の中で最初によく使われる機能やサービス利用開始までに必要な内容を分かりやすく解説した資料初心者向け!効果的なマーケティングオートメーションの始め方

調査レポート型
自社商品に関連するトレンドや市場動向について、アンケート調査の結果や分析内容をとりまとめた資料2024年版音声マーケティングトレンドレポート

イベントレポート型
セミナーや展示会などのイベントの内容をとりまとめた資料テクノロジーEXPO2023イベントレポート

ホワイトペーパーの種類①「ノウハウ提供型」

見込み顧客が抱える課題に対して、解決手法や業界のベストプラクティスを提供します。専門的なノウハウを提供することで、自社に対する信頼感の醸成を狙います。また、解決手法の1つに自社の商品・サービスの活用を含めることで、顧客の購買意欲を高められます。

【具体的な企画例】:人事業務の効率化を進める帳票デジタル化の3つのポイント

切り口次第でさまざまな企画のホワイトペーパーが制作できるため、最初にとりかかりやすい種類です。

ホワイトペーパーの種類②「事例紹介型」

自社商品・サービスの導入事例を紹介します。同一業界や同じ企業規模における導入事例の有無は、見込み顧客の意思決定において重要です。業界別・部門別などの切り口で制作しておくと、ダウンロードしてもらいやすいです。

【具体的な企画例】:成功事例に学ぶ!中小企業におけるワークフロー導入事例集

作っておきたいホワイトペーパーの1つですが、自社に紹介できる導入事例がない場合はコンテンツにするのが難しいです。導入事例は依頼される側でひねり出すのも難しいので…。

ホワイトペーパーの制作前に社内で蓄積している事例の調査、取引先への掲載依頼などの調整が必要です。

ホワイトペーパーの種類③「製品比較型」

自社商品と競合する商品の機能やサービスなどを比較し、違いを分かりやすく伝えます。

類似の機能や特徴を持つ商品・サービスが多い場合に効果を発揮するホワイトペーパーです。また、1つの商品・サービスでもプランが複数ある場合は、機能や価格、特徴などの違いを比較してまとめるとよいでしょう。

【具体的な企画例】:もう迷わない!中小企業が選ぶべきクラウドサービス徹底比較

サービスのプラン別の違いや必要なライセンスの種類・数量など、お金に関わる内容はニーズがある内容の1つ。購買意欲の高い見込み顧客向けに制作しておきたいホワイトペーパーです。

ホワイトペーパーの種類④「ツール提供型」

業務や課題解決に役立つツールを提供します。ツールには、以下のようなものがあります。

  • チェックリスト
  • テンプレート
  • 用語集
  • 診断シート
  • 試算シート
  • 分析シート

【具体的な企画例】:失敗しないプロジェクト管理のための進捗管理テンプレート

こうした各種ツールは、見込み顧客の業務に役立てられるものであれば、多くのダウンロードを期待できます。リード獲得を狙うホワイトペーパーの1つとして、オススメの種類です。

ホワイトペーパーの種類⑤「入門ガイド型」

自社商品・サービスで最初によく使われる機能や、サービス利用開始までに必要な内容を分かりやすく解説します。

業務マニュアルは、ボリュームが多く「できれば読みたくない」と思う方も多いでしょう。

このような顧客向けに、商品の購買やサービス導入イメージを持ってもらうために効果的なのが、この入門ガイド型のホワイトペーパーです。

【具体的な企画例】:初心者向け!効果的なマーケティングオートメーションの始め方

既存の業務マニュアルや製品マニュアルをベースに制作しやすいので、難易度が低いホワイトペーパーの1つです。

ホワイトペーパーの種類⑥「調査レポート型」

見込み顧客に関係する業界のトレンドや市場動向の調査結果を示します。

アンケート調査の結果やその内容を分析し、傾向や今後の動向予測を示す場合が多いです。

商品やサービスの購買意欲が顕在化している顧客に刺さりやすい「製品比較型」や「入門ガイド型」に比べ、「調査レポート型」のホワイトペーパーはより潜在的な顧客にアプローチしやすいのが利点です。

【具体的な企画例】:2024年版音声マーケティングトレンドレポート

独自のアンケート調査や定期的な分析レポートの制作はそれなりにコストがかかります。とはいえ、興味関心を持つ潜在層のリードを増やしたい場合は有効なホワイトペーパーなので、ぜひ検討してみてください。

ホワイトペーパーの種類⑦「イベントレポート型」

セミナーや展示会などのイベントの内容をまとめます。

イベントに参加できなかった方を想定読者として、開催されたイベントのハイライトや参加者の声、当日の様子などを紹介する場合が多いです。

【具体的な企画例】:テクノロジーEXPO2023イベントレポート

セミナー資料をホワイトペーパーとして活用することもでき、自社で完結するようなイベントであれば、比較的制作するハードルが低い種類のホワイトペーパーです。


ホワイトペーパーの構成要素の具体例

ホワイトペーパーの種類はいくつかありますが、構成は共通している場合が多いです。

  • 表紙
  • リード
  • 目次
  • 本文
  • 紹介・訴求
  • 会社情報
  • 問い合わせ先

ここでは、上記7つの要素について深掘りします。

ホワイトペーパーの構成要素①「表紙」

ホワイトペーパーの顔である表紙は、興味を惹くタイトル・デザインになるよう注力します。

文字の大きさにメリハリをつけて読みやすくすることはもちろんですが、見込み顧客にとって有益な内容であることが分かりやすいタイトルを意識しましょう。

ダウンロードしてもらえるかどうかを左右する重要なページなので、タイトルコピーやデザインはこだわった方がよいです。

ホワイトペーパーの構成要素②「リード」

ホワイトペーパーの概要を解説します。

読者が抱える課題や問題意識を示し、それが解決できることを示唆することでホワイトペーパーを読み進める動機づけを行います。

リード部は、表紙とともにダウンロードページに掲載することが多いです。そのため、見出しやビジュアルにも注力して、ダウンロードしてもらえるよう意識しています。

ホワイトペーパーの構成要素③「目次」

ホワイトペーパーの記載内容を記載します。

ダウンロードページにどのような内容のホワイトペーパーなのかを掲載することが多いので、分かりやすい見出しを設定しましょう。

ホワイトペーパーの構成要素④「本文」

企画に応じて、コンテンツを記載します。

読者の態度変容を促せるよう、ストーリーを意識して構成するとよいでしょう。

ページ数が15枚のホワイトペーパーを例に、具体的な構成例を紹介します。

● ホワイトペーパーの具体的な構成例

「企画:プロジェクト管理者向けに、工数管理の課題解決手法を提示するノウハウ提供型」

ページ番号構成具体例
P.1表紙プロジェクト管理者必見!効率的な工数管理の3つのポイント
P.2リード工数管理の悩みが解決でき、プロジェクト管理を成功に導くことを示唆
P.3目次
P.4前提事項の提示工数管理の重要性を解説
P.5課題の紹介工数管理業務でよくある課題を提示
P.6課題の分析なぜ工数管理が煩雑になるのか、その原因を解説
P.7課題解決へのアプローチ(概要)工数管理のベストプラクティスの概要を列挙
P.8課題解決へのアプローチ1
(具体例)
具体的な工数管理の課題解決手法を解説
P.9課題解決へのアプローチ2
(具体例)
具体的な工数管理の課題解決手法を解説
P.10課題解決へのアプローチ3
(自社商品)
自社商品を用いた具体的な工数管理の課題解決手法を解説
P.11自社商品の訴求(メリット1)汎用的な項目管理機能であらゆるプロジェクトの工数管理に対応していることを解説
P.12自社商品の訴求(メリット2)ダッシュボード機能で、工数データを簡単に把握できることを解説
P.13自社商品の導入事例自社商品の工数管理ツールを導入した企業の事例を紹介
P.14まとめ工数管理の課題と解決へのアプローチを総括してポイントを整理
P.15会社情報・お問い合わせ問い合わせ先に加え、サービスページへのURLを記載

基本的には、見込み顧客の課題や問題意識に焦点を当て、解決へのアプローチを解説していく場合が多いです。その過程で自社商品・サービスの有用性を示し、訴求をしていくと自然な流れになります。

ホワイトペーパーの構成要素⑤「紹介・訴求」

自社商品・サービスの訴求を行います。

特徴やメリット、導入実績などを記載して、興味を持ってもらえるようにします。注意点としては、いきなり宣伝に入らないことです。あくまで、見込み顧客の課題の解決手法の1つとして「自社商品・サービス」があることが大切です。

ホワイトペーパーの構成要素⑥「会社情報」

ホワイトペーパーには、会社情報を掲載します。

  • 会社名
  • 所在地
  • 設立年月日
  • 代表者
  • 事業内容 

信頼性が高まるように、最低限上記の項目を記載しておくとよいでしょう。

ホワイトペーパーの構成要素⑦「問い合わせ先」

ホワイトペーパーの巻末には問い合わせ先ページを用意し、読者にアクションを促します。

  • 問い合わせフォーム
  • 問い合わせ先電話番号
  • メールアドレス
  • 製品・サービスページへのURL

ホワイトペーパーの制作プロセスを5ステップで解説

ここからは、ホワイトペーパーの制作工程を5つのステップで解説します。

ホワイトペーパーの制作プロセス 1:目的・ターゲットの決定

まずは、目的とターゲットを定めます。

ホワイトペーパーの役割は、大別するとリード獲得とナーチャリングの2つがあると紹介しました。そのため、どちらを目的に据えて施策を進めるかを決めておく必要があります。

例:「リード獲得」
→ 自社商品・サービスに関心の薄い潜在層をターゲットにする

例:「ナーチャリング」
→ 自社商品・サービスに関心のある顕在層をターゲットにする

上記のように、目的が定まるとターゲットも決めやすくなるので、まずはホワイトペーパーの制作目的を明確にしましょう。

ホワイトペーパーの制作プロセス 2:テーマ設定

目的とターゲットからテーマを選定していきます。

テーマは「ターゲットが求めていること」と「自社が伝えたいこと」が重なるトピックを意識しましょう。

● ホワイトペーパーのテーマ設定の具体例(データ分析ツールを販売している企業の場合)

  • ターゲット:データは収集していても、それを活用できていない企業の担当者
  • ターゲットが求めていること:データを分析して、自社の業務に活用する方法が知りたい
  • 自社が伝えたいこと:自社のデータ分析ツールは便利で導入する価値がある

基本的には、見込み顧客の課題を軸にテーマを選んでいくと決めやすいです。

ホワイトペーパーの制作プロセス 3:構成作成

ホワイトペーパーの構成作成では「ターゲットが求めていること」と「自社が伝えたいこと」が自然につながるよう、ストーリーを意識して設計します。

ホワイトペーパーの構成の具体例で紹介したように、基本的には見込み顧客の課題をピックアップし、解決までのアプローチを提示します。その中で、自社の商品・サービスの紹介を行う流れが多いです。

実際のホワイトペーパーの制作過程においては、構成の段階で何度も依頼者と意見をすり合わせる場合も多いです。

ついつい自社商品の訴求のページが多くなりがちなので、見込み顧客の課題解決が軸になっているかを意識して制作しています。

ホワイトペーパーの制作プロセス 4:ライティング

ホワイトペーパーは、1枚のスライドに200~500文字程度の文量で執筆を行います。

視覚的な読みやすさが重視されるため、テキストに加えて図や表、イメージ画像が挿入されます。そのため、Web記事よりも端的な文章表現が求められます。

ホワイトペーパーの制作プロセス 5:デザイン

原稿がまとまったら、デザインに落とし込みます。ホワイトペーパー制作のデザインでは、2つ決めることがあります。

  • ホワイトペーパー全体のフォーマットデザイン
  • 図・表を含めた各ページのデザイン

全体のフォーマットデザインは、一度作り込んでしまえば別のテーマでホワイトペーパーを制作する時にも活用できます。初めて制作する場合は、初期コストがかかるかもしれませんが、品質を上げるためにもしっかり作り込む方がよいでしょう。

必ずしも全てのホワイトペーパー制作でデザイナーに依頼する必要はないです。とはいえ、最初にフォーマットデザインや基本的なレイアウトの型は整えてもらった方が品質を高められるでしょう。

大手企業ではいくつもホワイトペーパーを制作するため、表紙や中表紙、コンテンツページにも多数のフォーマットを用意しています。また、図解に活用できる装飾集やレイアウトのサンプルもあるため、どのホワイトペーパーでも安定した品質で制作されている印象です。

ホワイトペーパーを作る時に必要なスキル

ホワイトペーパーを制作するには、以下の3つのスキルが必要です。

  • 業務知識
  • ライティング
  • デザイン

それぞれ解説していきます。

ホワイトペーパーを作る時に必要なスキル①:業務知識

取り上げたテーマの業界の知識や業務に精通した専門的な知見が必要です。

BtoBのマーケティングでは、業界や業種、部門ごとに専門的なトピックをテーマにする場合も多いでしょう。

ホワイトペーパーの制作に携わるライターやディレクターをはじめ、レビューを担当する依頼者もテーマに関わる業務知識が求められます。

SEとして7年ほどシステムの開発やDX推進業務の実務経験がある私の場合は、主にIT分野に強いホワイトペーパーライターとして仕事をしています。

ホワイトペーパーを作る時に必要なスキル②:ライティング

ホワイトペーパーでは内容を端的に書くことに加え、構造化する力が必要です。

伝えたいことをうまく構造化できれば、端的に書くことができるとも言えるでしょう。

ホワイトペーパーはWeb記事と異なり、1ページに占める文章のスペースに限りがあります。文章に加え、理解を促す図表を交えながら1ページに納めていく必要があるからです。そのため、1ページあたり200〜500文字程度の文章量で書く必要があります。

後のデザイン工程で図解や表にしやすいように箇条書きにしたり、伝えたいことを構造化したりして、デザインを組みやすいように配慮しています。

わたしはライティングからデザイン工程まで担当することもあるので、どこまで要約するか、どこまでデザインで補うかも意識して書くことが多いです。

ホワイトペーパーを作る時に必要なスキル③:デザイン

ホワイトペーパーの品質を左右するのがデザインです。

ダウンロードページでは、表紙の他にいくつかのページを「チラ見せ」する工夫をしている会社も多いです。

そのため、デザインの品質がよくなければリード獲得率や読者満足度が落ちてしまうがゆえに、気を抜けません。

視聴コストが低いデザインの意識が大切です。特に文字のサイズ。文字が小さすぎたり適切な余白がなく、詰まり過ぎたりしていないか気をつけています。資料をスマートフォンで閲覧する機会も増えてきたので、文字サイズは要注意です。

ホワイトペーパーを作る時の注意点

成果が出るホワイトペーパーを作るためにも、制作時に注意すべきポイントにも触れておきましょう。

ホワイトペーパーを作る時の注意点①:読み手のレベルに合わせた文章表現にする

タイトルや見出し、本文にも共通して注意したいポイントが「読み手のレベルに合わせた文章表現」です。

ホワイトペーパーを活用してリード獲得やナーチャリングを進めるにあたって、想定しているターゲット読者がいるはず。その読者のレベルに合わせて言葉選びをしましょう。

ホワイトペーパーの作り方のコツとして「専門用語を使わないようにしましょう」と見かける場合もありますが、その業界や業種に馴染みが合って、使用した方が理解しやすい場合は活用した方がよいです。

例:

  • 営業系:SFA(営業支援システム)、MA(マーケティング自動化)、CRM(顧客関係管理)
  • 人事系:HR、タレントマネジメント、オンボーディング
  • システム系:ビッグデータ、クラウド(AWS、Azure)ERP

専門用語を平易な言葉で表現すると文章が長くなりやすくなるため、端的な文章を求められるホワイトペーパーでは、注意が必要です。

ホワイトペーパーを作る時の注意点②:宣伝や営業に偏らないようにする

自社商品の宣伝や過度な営業にならないよう、構成に配慮しましょう。

ナーチャリングが進み、自社の商品・サービスの機能の違いや導入手順などを欲している見込み顧客には「製品比較型」「事例紹介型(導入事例)」「入門ガイド型」のホワイトペーパーで、手厚く商品紹介をしても問題はないでしょう。

とはいえ、自社商品への興味関心が薄い顕在層に「調査レポート型」「ツール提供型(用語集)」「ノウハウ提供型」のホワイトペーパーを読んでもらえたとしても、そこで商品紹介ページの割合が多く宣伝がしつこいと思われると、その後の継続的な関係が失われかねません。

ターゲットのニーズに合わせて、訴求量は調整するのがよいでしょう。

ホワイトペーパーの外注先を選ぶ時のポイント

ここまでホワイトペーパーの作り方を解説してきましたが、自社で内製するのはなかなか大変そう…と思われた方も多いのではないでしょうか。

世の中には、ホワイトペーパー制作の代行を専門とするサービスを展開している企業も多く存在しているため、まずはそういった制作会社からアプローチするといいでしょう。

以下に、ホワイトペーパーの外注先を選ぶ時のポイントを紹介します。

ホワイトペーパーの外注先を選ぶ時のポイント①:専門性があること

取り扱うテーマの専門性をもっており、自社の業界や関連知識に精通した内容で制作できることを確認しましょう。

具体的には、以下の2つを押さえておくとよいです。

① 過去の制作物に、同業界や類似のテーマの制作事例があるか

② 依頼するテーマに精通したディレクターやライターがいるか

ホワイトペーパーの制作会社にも、強みをもつ業界や分野があります。過去制作物や在籍しているメンバーの専門性を確認するとよいでしょう。

わたしの場合は、システム開発経験に強みがあるため「システム開発工程」「SaaS分野」「プロジェクトマネジメント」といったトピックのホワイトペーパーを担当することが多いです。経験に基づく内容を盛り込んで執筆しているため、ご好評いただいています。

ホワイトペーパーの外注先を選ぶ時のポイント②:実績が豊富であること

初めてホワイトペーパーを制作するのであれば、実績が豊富なパートナーが無難です。

依頼するにあたってテーマや打ち出し方が決まっていなくても相談でき、企画検討から伴走してもらえるので、自社にノウハウがなくても着手できます。

過去の制作実績から自社の目指すホワイトペーパーもイメージしやすいため、話が進めやすいのもメリットの1つです。

実績が豊富な制作会社であれば、優秀なライターやデザイナーとつながりがあります。コストはかかるかもしれませんが、ディレクションも任せることができて安定した品質となる期待値が高いので、はじめてのホワイトペーパー作りなら専門の制作会社がオススメです。

とはいえ、BtoBマーケティングではニッチなテーマを取り上げることも多いので、期待する条件に完璧に合致するような人材を見つけるのは難しい場合もあるでしょう。別の案件で関わりがあり、信頼のあるライターやデザイナーであれば別テーマだとしても対応できることもあります。

専門性や実績有無はあくまで参考にしつつ、幅広く検討すると外注先が見つかりやすくなります。いずれにせよ、まずは小規模なボリューム感でテスト発注を行い、仕事のクオリティや相性を実務ベースでチェックしてみるのがおすすめです。

ホワイトペーパーを作る時によくあるQ&A

最後に、ホワイトペーパーを作る時によくある質問をまとめました。

Q. ホワイトペーパーを何で作ればよいのでしょうか?

主にプレゼンテーションソフトで作ることが多いです。担当する案件では、MicrosoftのPowerPointがほとんどです。最近はCanvaでの制作事例も受けたことがあります。

ホワイトペーパーを制作できるツールはいくつもありますが、最終的に見込み顧客がダウンロードするのは「PDF形式」が一般的なので、PDFファイル(.pdf)で書き出しできるフォーマットであれば問題はありません。

Q. 社内にホワイトペーパーを作るノウハウがありません

最初は専門の制作会社に頼るのが無難です。

今後内製していく場合は、制作工程や成果物を参考にしながら、自社のマーケティング担当者やライター、インハウスデザイナーを育てる流れになるでしょう。

Q. ホワイトペーパーの制作を依頼する予算が潤沢にない場合は?

内製化できる作業とそうではない作業を、部分的に切り出して外注する方法があります。

例:

  • テーマ決めと構成は内製し、ライティングとデザインを委託する
  • 自社の担当者が進捗管理を担い、制作会社ではなく個別にフリーランスへ委託する

【まとめ】勘どころを押さえてホワイトペーパーを活用しよう

見込み顧客のリード獲得やナーチャリングに効果を発揮するホワイトペーパーマーケティングでは、目的やターゲット(潜在層・顕在層)に合わせて、コンテンツを設計することがとても大切です。

ゼロからホワイトペーパーを作るのはなかなか大変ですが、一度作ってしまえばマーケティング活動の他にも、営業活動やセミナー資料など、汎用的に活用できる場面もあります。

社内のナレッジや埋もれる情報資産を言語化して、マーケティングに活かしてみてはどうでしょうか!

自社で内製を考えている場合も、外部に委託する場合でも、今回解説した視点を持ってホワイトペーパー作りを進めてみてください。


※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。

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