こんにちは。中小企業を中心にBtoBマーケティングを運用しているNaochanです。
普段は、BtoB企業様にむけてデジタルマーケティング支援や自社でのBtoBサービスの設計・運用を行ってます。特に、WEB広告とコンテンツSEOの運用を得意としており、大手フィットネスジムや会計管理ツールの法人向け広告やコンテンツSEO施策、CRM導入などの支援しています。
今回の記事では、SEO対策と広告運用をセットで語っている記事が世の中に少ないため、BtoBサイトの流入をどのように増やすことができるのかについて、一般論と私の経験を交えて解説していきます。
これからBtoBマーケティングに本腰を入れようとしているマーケターの方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
BtoBのCVR平均値は? SEOとリスティング広告ではそれぞれ何%? 私の実績値も公開
「コンテンツSEOの平均CVRっていくつ?」「法人向けのリスティング広告の平均CVRってどれくらい? ...
BtoB集客はなぜ難しい
BtoB集客はBtoCと比べて難しいと考えている方も多いと思います。
その認識の通りで、BtoB集客はBtoCに比べて集客が複雑で難しいです。なぜ難しいのかというと、「ターゲット顧客が圧倒的に少ない」ことが挙げられます。
BtoB市場の場合、企業向けの商品やサービスを取り扱うので、市場ニーズが消費者よりも圧倒的に少なくなります。ターゲットとなるユーザー母数が少なくなるので集客が難しくなるということですね。
では集客の難しいBtoBビジネスで効率的にWEBサイトへの流入を増やしていくためにはどうすればよいのでしょうか。
以降ではその手法について解説していきます。
BtoBサイトの流入を増やすための2つの方法
BtoBサイトへの流入方法は以下のように様々な手法があります。ただこれらすべてを活用するとなると、人的コストや費用コストが膨大にかかってしまいます。
- コンテンツSEO
- WEB広告
- SNS運用
- ポータルサイト掲載
- テレアポ
- 展示会/ウェビナー
- 雑誌などのメディア掲載
そこで私の意見として、まず行っていただきたい手法は「コンテンツSEO」「WEB広告」の2つです。理由は、「費用対効果の高さ」と「効率的に顕在顧客へリーチ」ができるからです。
もちろん他の施策も有効ではありますが、ビジネスに与える影響度でいうと、自社の状況に合わせて取り入れたほうが良い程度のものだと思われるので優先順位は低めです。
では、2つの施策がなぜBtoBビジネスにおいておすすめなのかを解説します。
【おすすめ集客手法 その1】コンテンツSEO(検索からのオーガニック流入)
まずコンテンツSEOがわからない方のために簡単に説明すると、検索ユーザーにとって有益な記事コンテンツを作成し、SEOの評価を高める手法のことを言います。
成果が出るまで6ヶ月~1年くらいの期間が必要になりますが、作成した記事をGoogleやYahoo!の検索上位に表示させることができるので、サイト流入を大幅に増やすことができます。
また、一度検索上位に上がった記事は順位が下がることはあるものの大幅に流入が減ることはあまりないので長期的なサイト流入確保が実現できます。
BtoBにおけるコンテンツSEOの重要性
そもそも検索ボリュームの少ないBtoBビジネスにコンテンツSEOは重要なのか?と思っている方も少なくないでしょう。
結論から言うと、検索ボリュームが少なくてもコンテンツSEOをやるべきです。その理由は以下の3つが挙げられます。
BtoBにおけるコンテンツSEOの重要性①:BtoBで狙うユーザーは情報収集に熱心
BtoBで狙うユーザーは、消費者に向けビジネスの一般的なユーザーのは異なる購買行動をとる傾向にあります。
例えば、一般的なユーザーの場合、購買のきっかけが見た目などのデザインや第三者の口コミによって決まることがあります。一方、BtoBで狙うユーザーは、その商品の独自の強みや機能性など、スペック情報の収集に重きを置く傾向があります。理由としては、個人の買物ではなく会社のお金を使っての買物になりますので、会社の関係者を説得する情報が必要となるわけです。そのため、購入前に商材に関連する記事や商品を事細かく情報収集する傾向があります。
以上の理由により、自社の商品やサービスに関連する記事コンテンツを作成してWEBにその情報を公開することで、ターゲットとなるユーザーを獲得しやすくなります。
BtoBにおけるコンテンツSEOの重要性②:上位表示を狙いやすい
BtoBのコンテンツSEOで狙うキーワードの検索ボリュームは、それぞれが専門性が高く顧客数も限られてくるため、BtoCと比較すると一般的に検索ボリュームが少なくなる傾向があります。しかし、それは言い換えると、BtoBで狙うキーワードはそれぞれで競合もあまりいないということです。競合が少ないと記事の競合性も低くなり、検索結果の上位に表示されやすくなります。
業界によって差はありますが、早くて1ヶ月で効果がでている(検索結果の上位表示を実現している)事例も少なくありません。
BtoBにおけるコンテンツSEOの重要性③:費用対効果
コンテンツSEOを始める場合、SEOに精通または知見のあるライターのアサインや集客のための企画、戦略の構築が必要なため、それなりのコストが初期投資として必要になります。
しかし一度コンテンツを作成してしまえば、長期的に効果が得られるのがSEOコンテンツの良いところです。後ほど紹介するWEB広告の場合、広告出稿と同時に素早く集客を実現できますが、広告出稿をストップすると集客はゼロになります。一方、コンテンツSEOの場合、Googleなどの検索結果に表示させるための広告料金は必要ありません。
特にBtoBで狙うキーワードの場合、それぞれに競合があまり多く存在しないという特徴がありますので、持続的な集客効果を期待できます。長期的に効果が出れば、無駄に広告費用をかけたりする必要がないため費用対効果が格段に良くなります。
コンテンツSEOの費用
コンテンツSEOの費用は、専門性の高さや文字数、記事本数によって変わってきますが、私の経験に基づくと、以下の業務一式を依頼して大体20万円〜35万円が月額の平均相場となると考えられます。
- WEBサイト現状調査
- キーワード選定
- 構成案の作成
- 記事執筆(4本~)
- CMSへの入稿
- 月次レポート(流入数や検索キーワード順位など)
業者によって20万円以下で請け負っているところもありますが、月額の費用が安すぎるとライターの質があまりよくない場合があったり、発注者側の業務負担が増える場合があります。実績などでしっかり判断しましょう。
コンテンツSEOの具体的な工程
コンテンツSEOで質の高い記事を作成するために、緻密なリサーチを基に検索キーワードの特定やターゲットユーザーが知りたい内容を作り上げることが必要です。
外部会社へのコンテンツSEO依頼を検討している場合、各会社では具体的には以下のようなステップがとられていると考えればよいでしょう。
コンテンツSEOの具体的な工程 ステップ①:検索キーワード選定
キーワード選定というのは、検索結果の上位表示を狙うためのキーワードを選ぶ作業のことです。
記事にはテーマが必要で、ユーザーが検索するキーワードに合わせてテーマを決定します。
検索キーワードの選定は、まずユーザーのニーズを把握することが重要です。私の場合はGoogleが提供している「キーワードプランナー」というツールを使って月間のキーワードボリュームを把握しています。Googleの広告アカウントを取得する必要がありますが無料で使うことが可能で、このキーワードプランナーの他にも検索ボリュームを確認できるツールは色々とあるようです。
ここでのポイントは、流入があまりないサイトを運営している場合、欲張りすぎずに検索ボリュームが少ないキーワードを選定していってほしいということです。
月間検索ボリュームが多いキーワードは、それだけ競合が多いということなので成果がでるのも長期的になってしまう可能性があります。逆に検索ボリュームが少ないキーワードであれば、競合が少なく、サイト自体のSEOが弱い場合も勝負できる可能性が少なくありません。
私個人の経験として、月間1,000以下の検索ボリュームを狙って記事を作成することをおすすめします。
コンテンツSEOの具体的な工程 ステップ②:検索意図の分析
ユーザーがGoogleなどの検索サイトで検索する際、どのような意図を持って検索しているか考えたことがありますか?
ユーザーは「〇〇の課題を解決したい」と頭の中でまず考え、それに応じたキーワードを入力して検索をかけ、検索結果から自分の課題を一番解決してくれそうページはこれだ!と意思決定し、そのページのリンクをクリックして、該当ページの情報を閲覧する……という一連の行動を行っていることをご自身の経験則からも理解できるかと思います。
「〇〇の課題を解決したい」という部分を、SEO的には「検索意図」という言葉を使って表現します。検索窓に入力されたキーワードにはどのような検索意図があるのか? またその検索意図に応える情報(検索意図によってい意図されるユーザーの課題に最適な回答を示せる情報)は何か? ということを突き詰めていくことがコンテンツSEOでは重要で、この部分がしっかりしていないと検索結果で上位表示を望むことはまず実現できないといっていいでしょう。
前置きが長くなりましたが、ステップ2ではこれから狙おうとしているキーワードで、上位表示されている競合記事はどのように検索意図を捉え、情報提供しているのか、ということをチェックし、差別化を図るための施策を検討していきます。
他社の競合記事を見るときは、以下の要素も合わせてチェックしていきます。
コンテンツの質はどうか
- 専門性や独自性が高いかどうか
- 最新の情報をアップしているか
- ページ速度は早いか
記事以外の部分でSEO対策がなされているかどうか
- キーワードが太一るやメタディスクリプションに選定されているか
- 内部リンクがいくつ設定されているか
コンテンツSEOの具体的な工程 ステップ③:構成案の作成
ステップ1とステップ2が終わったら記事の骨組みを考えていきます。
具体的には記事の見出しをすべて作成します。競合記事よりも情報の充実が担保されているか、競合記事にないオリジナルな情報(自社の強みなど)を入れられているか、記事全体としてユーザーが課題解決しやすいシンプルな構成になっているか、などを検討します。
コンテンツSEOの具体的な工程 ステップ④:執筆
ステップ3で作成した構成案と各見出しに大きな問題がない状態になったら、原稿の執筆に入ります。
コンテンツSEOで上位表示を狙おうとすると、傾向として記事のボリューム(文字数)はどうしても多くなりがちです。そのため、読み手のわかりやすさを意識して、表や箇条書きなどの表現を取り入れるのも効果的です。また、ライティングとは別の話になるかもしれませんが、写真、イラスト、説明図、動画などの素材も挿入できるようでしたら効果的に使ってください。
皆さんも感じたことがあると思いますが。文字だけがズラッと並んでいても相当の活字好きでなければ読み進めようという気になりませんよね。一般の人の立場で考え、読み手になるべく負荷のかからない文章を作成する工夫を心がけましょう。そうすることで、記事の閲覧時間を伸ばすことに繋がり、結果的にSEOへの効果が高まります。
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コンテンツSEOにおける注意事項
上記の工程だけ踏めば、検索結果の上位に上がるのかというとそうではありません。改善すべきポイントはいくつか考えられると思われますが、以下2つの内容については、考慮されていないと検索結果に上がらない可能性が高くなるので注意しましょう。
コンテンツSEOにおける注意事項①:類似率50%の記事
類似率というのは、他社の記事とどれくらい類似しているかを示す割合を指しています。
SEOの効果に直接影響を及ぼす割合があり、大体類似率が50%を超えると検索結果上位に上がりにくくなると言われています。類似率は例えば「CopyContentDetector」などの無料ツールで確認できます(4,000文字以上のチェックの場合は有料)。こちらを活用することで、他社記事とどれくらい類似しているのか把握できるのでぜひ活用してみてください。
では類似率50%を下回ると良いのかということですが、私が色々運用をしてきた経験に基づきお話させていただくと、類似率が35%以下の記事がSEOとして上がりやすい傾向があります。
専門性や独自性の可否によっても変わってきますが、1つのベンチマークとして35%以下を目安に意識してみてください。
コンテンツSEOにおける注意事項②:冗長表現が多い記事
記事執筆を外注に依頼する場合、記事の内容が冗長的になる傾向があります。冗長的な表現が多く含まれていると、読み手にとって読みづらい記事になってしまい滞在時間の低下によりSEOに大きな影響を及ぼします。
ではなぜ冗長表現になってしまうのでしょうか。それは、ライターへの支払い形態が大きく関係しています。
ライターへの支払い形態には「文字単価」「記事単価制」の2種類があります。
- 文字単価での支払い:1文字あたり何円という算出方法
- 記事単価での支払い:1記事あたり何円という算出方法
冗長表現になりやすいのが「文字単価」の方です。これは文字数を増やすことで費用を貰える仕組みなので、言い方は悪いですが無駄な説明を増やして報酬をもらう方も中にはいます。
ただ難しいのが、コンテンツSEOで上位表示を狙う場合、競合記事の文字数がどれぐらいのボリュームになるかをチェックし、その文字数を基準に記事作成の依頼をすることも多いです。なので、一概に記事単価での支払いが悪いとも言い切れません。
ただ、上記のような文脈を理解しておくと、記事制作を外注する際により確かな判断ができると思いますので、参考にしてみてください。
【おすすめ集客手法 その2】WEB広告による流入(リスティング広告)
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンの上部にテキスト広告を掲載する手法のことを言います。
ユーザーが気になる内容を特定のキーワードで検索すると、そのキーワードに基づいて広告が検索結果の上部に表示される仕組みです。基本的にはその広告がクリックされると、クリックされた数だけ広告費用が発生します。
広告費用は発生しますが、検索結果の1位よりも良い場所で広告枠は設定されているので、SEOよりもスピーディにサイトへの集客を実現でき、他の集客施策にはない大きなアドバンテージとなっています。
リスティング広告の費用相場
BtoB向けのリスティング広告の場合、私の広告運用経験に基づく肌感をお伝えさせていただくと、1月あたりの予算感は30万円程度がおすすめです。BtoCと比較して、BtoBのキーワードはもともと検索ボリュームが少ないためお金をかければかけるほど集客ができるというものではなく(広告で流入を獲得できる量に頭打ちがある)、また、かといって予算が少なすぎるとコンバージョンをなかなかとれない状況が続いてしまうので、特に広告運用の初期段階においては、30万円程度の予算があると、集客とコンバージョン率のバランスが最も良くなると感じます。
BtoBのリスティング広告は、BtoCよりもクリック単価が高くなる傾向があります。理由は、参入企業が少ないため特定のキーワードの競争率が上がるためです。
リスティング広告は広告を配信するエリア(東京都だけ、大阪府だけなど)を限定できるのも特徴ですが、もし地方だけでリスティング広告配信を希望する場合は、10万円~がおすすめです。地方になると全国と比べて商圏が狭くなるため、その分広告予算を抑えて運用とするのが一般的です。
BtoB向けリスティング広告の成功ポイント
コンテンツSEOでは具体的な工程を説明しましたが、リスティング広告では設定手順はある程度理解していることを前提に、どのように運用することでターゲットユーザーを自社サイトに集客できるのかのポイントをご紹介します。以下のようなことを理解しておくと、運用側に依頼を出す際に参考になると思います。
BtoB向けリスティング広告の成功ポイント①:マイクロコンバージョンを設定
BtoB向けに関わらずリスティング広告でより成果を上げるためには、マイクロコンバージョンの設定が重要です。
マイクロコンバージョンとは、最終的なコンバージョンよりも前のアクションをコンバージョンポイントにすることです。
例えば、資料請求を最終的なコンバージョンとした場合、1つ手前の申し込みフォームの入力画面への遷移をマイクロコンバージョンとして設定することができます。
なぜマイクロコンバージョンが必要なのかというと、BtoB向けのリスティング広告の場合、BtoCと比べてコンバージョンが少ないので広告が最適化されるまでに時間がかかるからです。
※Googleのリスティング広告では管理画面へのAI導入が進んでおり、コンバージョンがつきはじめると「この広告クリエイティブが最適だ」とAIが判断し、複数ある広告クリエイティブからコンバージョンがついた広告クリエイティブに重きを置いた運用を進めるようになります(=広告最適化)。そのため、運用の初期ではどのようなパターンにコンバージョンがつくのかAIに学習させることが重要となります
※上の例ではわかりやすく広告クリエイティブに絞って話をしていますが、広告クリエイティブ以外の部分もAI学習の対象となります
例えば、GoogleやYahoo!が推奨している月間のコンバージョン数は「30〜50件」です。そのコンバージョン数を獲得できないと広告最適化のための学習がスムーズに行えないため、成果までに時間がかかってしまうわけです。
なので、最終コンバージョンの手前のアクションにもコンバージョン設定(マイクロコンバージョン設定)することで、AI学習のポイントを増やすことができ、広告最適化につながるということですね。
BtoB向けリスティング広告の成功ポイント②:法人向けの広告であることを明記
リスティング広告ではある程度ターゲット属性を絞ることはできますが、「法人顧客のみ」というようなターゲット設定はありません。なので、ターゲットでないユーザーへのクリックをなるべく減らすために、法人向けだという内容(コピー)を広告文に添えましょう。
例えば、製造業で印刷用紙を法人向けに販売していた場合、
- 【コスト削減】印刷コストを最大〇〇%削減!高品質印刷用紙
- 【納期厳守】特急納品にも対応!最短〇〇営業日で出荷
のように、法人顧客ニーズの高い「納期」「コスト」などを広告文の冒頭に乗せることで、一目で法人向けだと分かるので、ターゲットユーザーへの獲得を増やすことができます。
BtoB向けリスティング広告の成功ポイント③:ターゲットにならないKWは除外
リスティング広告を運用していると、どの検索キーワードでサイトに訪れたかチェックすることができます。そこで、自社とは関連性の低いキーワードは除外をするようにしましょう。
例えば、広島県内だけに広告を配信したいのに検索キーワードを見ると「岡山」「鳥取」などの地名が入っていると違うユーザーにリーチしていることがわかります。
その場合、岡山や鳥取などの地名を除外キーワードに登録することでそれらで検索しているユーザーへは広告がリーチされなくなります。
このように、ターゲットユーザーに適切に配信ができればサイトへの流入は格段に上がり、最終的なコンバージョンにも繋がりやすくなります。
BtoB向けリスティング広告の注意事項
続いて、BtoB向けのリスティング広告を使用する上での注意点を解説します。
BtoB向けリスティング広告の注意事項①:マイクロコンバージョンによる成果を確認する
マイクロコンバージョンは、広告を最適化させるために効果的な方法ですが、実際に成果に繋がっているかも確認しましょう。
成果に貢献していれば問題ないですが、マイクロコンバージョンが多数発生しているのに最終的なコンバージョンが繋がらないということはAI学習が誤った方向の学習を進めてしまっている可能性があります。
例えば、マイクロコンバージョンに意欲の低いユーザーからのリアクションも多い「電話タップ」や既存顧客からのお問い合わせも入る「お問い合わせページ」を設定していると成果に繋がりにくいといった事態がおきます。
本来集めたいユーザーだけがリアクションする場所にマイクロコンバージョンを設定することが大事なので、成果を確認しながら修正が必要だと感じられる場合は修正を検討しましょう。
BtoB向けリスティング広告の注意事項②:土日は配信しない
こちらはいわずもがなですが、BtoBの顧客は企業になるので土日は休日のことが多いです。
実際に私自身もBtoB広告は基本営業のある曜日のみに配信したり、土日は予算を下げるなどしています。明らかにリーチする数が違うので、精査しましょう。
BtoB向けリスティング広告の注意事項③:PC配信の比重を増やす
BtoBでリスティング広告を配信する場合、PCへの配信比重を強めたほうが良いです。
理由は、BtoBのコンバージョンユーザーの80%近くがPCユーザーだからです。業界にもよるかとおもいますが、BtoB顧客は職務上、商材を調べるときは営業時間内に行うことが多く、そうするとスマホではなくパソコンの使用になります。
このように一般データだけでなくターゲットの働き方などを想定して配信タイミングを決めてください。
自社に強みがなくてもコンテンツSEOやリスティング広告をやるべきか
自社に明確な強みがない場合、私の経験に基づく意見ですが、コンテンツSEOやリスティング広告はおすすめしません。
理由は、リード獲得に繋がらないからです。
前述でも触れましたが、BtoBユーザーはサービスの情報を熱心に調べます。例えば、サービスの機能性や価格、導入時期、企業規模、サービス提供者の実績など総合的な評価で購入を決めます。
そうしたユーザーに対して、強みのないサービスをコンテンツSEOやリスティング広告で打ち出したとしても、サイト流入にはつながるかもしれませんが、最終的なコンバージョンにつなげるのはかなり難しいでしょう。
私も過去の経験で、強みのないサービスの広告配信を行っていましたが、どの案件も広告効果はかなり悪かったです(契約も半年も続きませんでした……)。
なので、自社の強みがなければ以下のマーケティング分析を活用して事業における勝ち筋をまずは見つけることから始めてみてください。逆の言い方をすると、ちょっとしたレベルの差別化要因でも見つけることができれば、コンテンツSEOやリスティング広告で勝負に出ることは可能です!
「強みは何か?」と聞かれると、ブランディングのような大事の話にも聞こえますが、担当者レベルの気づきでもコンテンツSEOやリスティング広告においては問題ありませんので、まずは以下のようなマーケティング分析フレームワークを活用してみてください。
【マーケティング分析フレームワーク】
①3C分析
→「顧客(Customer)」「自社(Company)」「競合他社(Competitor)」の3つを軸にして市場環境を分析して新たな事業計画を把握するフレームワーク
②SWOT分析
→自社の外部環境と内部環境をStrength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの要素で要因分析することで、既存事業の改善点や伸ばすべきポイント、新規事業の将来的なリスクなどを見つけることができるフレームワーク
③4P分析
→自社商品・サービスにまつわる「Product(商品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(販売促進)」を分析することで、自社の強みを把握するフレームワーク
BtoBサイトの流入をより最大化するためには
ここまで、BtoBサイトの流入を増やすための方法には「コンテンツSEO」と「リスティング広告」があるということを解説してきました。
ただ、すでにこれらの施策をやっているけど効果が出ていないという方もいらっしゃるでしょう。
実は、BtoBサイトの流入数をもっと最大限に増やすためのおすすめ手法として「記事ネイティブ広告」の活用があります。
そもそも、記事ネイティブ広告ってなに?
記事ネイティブ広告は、GoogleやYahoo!ディスプレイ広告で提供している広告手法の1つで、記事サイトにコンテンツが溶け込むように配信される広告のことを言います。
リスティング広告やコンテンツSEOの場合、確度の高いユーザーを集めるのに有効ですが、ターゲットユーザーの中には関心はあるけど検索までに至っていない潜在ユーザーもいます。
リスティング広告やコンテンツSEOでは訴求しきれないユーザーにアプローチするためにネイティブ広告は非常に有用です。
リスティング、コンテンツSEO、記事ネイティブ広告を活用した事例
例えば、私が運用している製造業(印刷業界)の例でお話すると、以下のような取り組みを行っています。
製造業(印刷)の成功事例
【製造業(印刷)の成功事例】
■コンテンツSEO(記事制作) ※記事タイトルは変えています
- 地域ポスティングの魅力とは
- WEB広告とポスティングはセットで考えろ!
- DM・ダイレクトメールのデザイン作り!効果的なデザインとは
- 折込チラシの特徴について
- 新聞折り込みでイベント来店率が3倍に向上!(事例) など
■リスティング広告(ターゲットキーワード) ※一例です
- 印刷 通販
- 名刺 印刷
- チラシ 印刷
- ポスター 印刷
- 印刷 会社
- 印刷 見積もり
■記事ネイティブ広告
- 活用媒体:Yahoo!広告
- 掲載場所:Yahoo!ニュース、デザインサイト、業界ビジネスサイト
- 記事内容:コンテンツSEOで作成した記事で効果の高いコンテンツ
これらの取り組みを行ったことで、コンテンツへの流入数が120%向上、検索順位が特定のキーワードで2位に掲載されました。
また、企業名やサービス名の指名検索数が2倍に向上し、通販申し込み件数が前月比1.5倍と大幅にCV数を伸ばしました。
このような成果に繋がった要因は、以下3つの理由が考えられます。
- コンテンツSEOで質の高い記事を制作し、潜在顧客をサイトへ誘導
- リスティング広告で企業名やサービス名を検索しているユーザーを獲得
- 記事ネイティブ広告で認知度向上と顧客育成を効果的に実施
今回の事例は、製造業を例にお話しました。
リスティング広告やコンテンツSEOだけでは効果が頭打ちになってきている方はぜひ記事ネイティブ広告の活用も検討してみてください。
まとめ
BtoBマーケティングを実際に行うとなると手間や費用がそれなりに掛かってしまうことは事実です。
ただ今回ご紹介した「コンテンツSEO」「リスティング広告」「ネイティブ広告」を活用することで、短期・中長期的にBtoBサイトへの流入を増やすことができるのでぜひ実践してみてください。
※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。
この記事を書いた人
コンテンツ企画/制作/広告によるリード獲得を支援しております。企業が持つ強みを最大限に引き出すデジタルマーケティングを実行します。千葉在住、フルリモート、 本とXを読み漁る人、かわいい娘と妻の為に仕事と育児に奮闘中。