長期休みに入り学用品をたくさん持ち帰ると、子ども部屋がすぐに散らかってしまい片付かない…
子育て中のパパママで、こんな風にお悩みの方も多いのではないでしょうか。
「片付けなさい!」と子どもに声をかけても、どうしても行動してくれなかったり、すぐ元に戻ってしまったり。子どもに片付けさせるのは難しいと感じていませんか?
整理収納アドバイザー1級の筆者が、「子どもが片付けられない原因」と感じたこと、さらに子どもの片付け習慣につながる声かけのポイントをご紹介します。
片付けを学ぶ ― いつもイライラした自分を変えるために
我が家には中3の長女、小5の長男がいます。それぞれ子ども部屋があり、普段の片付けやゴミ集め等の整理整頓は、子どもたちが自分で進めています。
しかし、子どもたちが小さかった頃、実は親子ともに決して片付け上手とは言えませんでした。
リビングにはおもちゃがパンパンに詰まったカラーボックスが並び、大きな本棚にも絵本がギチギチ。
子どもたちに片付けの指示を出しても、なかなか思うように行動してくれないと、いつもイライラする日々が続きます。
子どものものだけでなく、今は使わないけど捨てられないと思うものも、家の中にたくさんありました。
育児や炊事洗濯、さらに片付け、ものの管理にいつも追われて、心も体も疲れ切っていたのです。
そんな中、「このままいつもイライラした自分でいたくない!」と思い立ち、コツコツと片付けを進めていくうちに、整理収納アドバイザー資格を取得。
仕組みを整えることで、最適な環境は自分で作れる!
行動を変えることで、気持ちも軽やかになれる!と実感しました。
今だからわかる「子どもが片付けられない原因」3つ
子どもが片付けられない原因 ①:そもそも親が片付けられていない
子どもに「片付けなさい」と指示するにもかかわらず、実際は親自身が片付けができていない、なんてことはありませんか?
実は、わたし自身がそうでした。
片付けられない親が、子どもに何度「片付けなさい」と言っても伝わりません。相手を思い通りに変えようと思うのは難しい、まずは自分が変わろう!と、私は思いました。
最初は、狭い共有スペースから片付けることがおすすめです。
- 文房具スペース
- 薬を入れている引き出し
- カトラリーケース
- 冷蔵庫の中
- お菓子を入れているケース
など、家族も一緒に使う小さなところから整えてみましょう。
特に、薬や食品など消費期限、賞味期限が決まっているものは要不要の判断がしやすいです。
子どもも頻繁に使う場所が「お、使いやすいな。きれいになったな」と感じてもらうと、「取り出しやすいって気持ちがいいね。他の場所も一緒にやってみよう」と声をかけやすくなりますよ。
子どもが片付けられない原因 ②:片付けのメリットを子どもと共有していない
親が片付けルールを教えることはあっても、「片付けの効果・メリット」については子どもに伝えたことはない。という方も多いかもしれません。
特に、「これいらないんじゃない?」と捨てること、減らすことを促すときは要注意!
親の価値観で何でもジャッジしてしまうと、「いつも勝手に決められる」と感じ、子どものやる気や好きなものを大切にする気持ちを尊重できなくなってしまいます。
また、探し物が見つからないと「勝手に捨てられたのかも」「いつか処分されそう」と強い不信感を抱かせてしまいかねません。
片付けのメリットは、
- 「いつも決まった場所にしまえると、次に使うときに迷わないんだよ」
- 「お気に入りのものがあると、遊びの時間が楽しくなるよ」
- 「机の上が広いと、好きなことに集中できるね」
など、今大切に使いたいものを自分で選び取り、それを気持ちよく使えること。
強制的にものを減らして、見た目がすっきりすること、収納の中にぴったり収めておくことが、片付けの目的ではありません。
整えることのメリットが自分ごとに感じられることで、子どもは自分のために工夫してみようと動き出せます。こどもの「自己決定力」を信じてあげることが、とても大切だと感じました。
子どもが片付けられない原因 ③:親が勝手に片づけのルールを決めている
片付けが苦手な子どもには、ルールや手順は親が最初から決めている場合も多いでしょう。
我が家の子どもに片付けが習慣化できた大切なポイントは、二つの声かけでした。
一つ目は、「なんで」と言わないこと。
「なんでできないの?」「なんでこんなになってるの?」とWHYで原因や理由をきいても、子どもは上手く答えられず、お互いイライラすることが多かったです。
何度も「なぜ?」と聞くよりも、
- プリントはどこに置くのがラクになりそう?
- 連絡帳の確認はいつが忘れないと思う?
- 学習プリントで復習が必要なものはどれかな?
改善するヒントになることを問いかけて、その答えを最後まで聞くようにしました。
二つ目は、「どうする?」と聞くこと。
子どもから聞いた答えを参考に、引き出しの中に何を入れるか、どの順番で収めるか、片付けのルールはまず子どもに「では、どうしようか?」と相談をします。
親が考える正しい片付けを目指すのではなく、子どもの成長に合わせて片付け方を変えていけばOK。
工夫する楽しみを感じられる前向きなコミュニケーションを心がけることで、子どももどんどん自分のアイデアを出してくれます。
「やってみる→調整する→もっと良くなる」体験ができるように、まずは任せて見守ってみる。すると、自分の部屋も考え方もすっきりとクリアになり、整理整頓が自然と身につくようになりました。
まとめ:心地よさ、使い勝手はいつもアップデートしよう
片付けがうまくできない原因を探すことも大切ですが、まずは親である私が小さなところから実行してみたことが、とても大きな一歩だったと感じています。
子どもの成長と暮らしの基準は、いつも変化しています。その変化に合わせて、自分にとっての心地よさ、使い勝手の良さも常にアップデートできるようになるといいですね。
そのために、
- 使う人が自分で決める
- 繰り返し微調整して整える
- 小さな成功体験を積み重ねる
子どもとの片付けルールを今一度見直してみることがおすすめです。
環境が変わると、マインドが変わり、行動も変わってきますよ。
私と同じように「子どもの片付け、失敗したな…」と少しでも感じることがあれば、ぜひ声かけや行動を変えてみてくださいね。
※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。
この記事を書いた人
シンプル志向の整理収納アドバイザー・ライター。クリンネスト1級。「暮らしもこころも かろやかに」をテーマに、ものとじぶんとゆっくり向き合える、続けやすい暮らしのちいさな仕組みを提案しています。