こんにちは。
突然ですが、今回はどうしてもこの商品の話をしたいとウズウズしていたので、「扇風機」をテーマにしたレビュー記事をお送りします!
昨年の夏、自宅でリモートワークをしていたときのこと。
結構な頻度でノートパソコンの発熱が「やばい」状況になり(adobe系のソフトをたくさん起動していたからと思われる)、内蔵ファンが大暴走。何か対策をしなくてはと、卓上ファンというジャンルの製品を色々と探していました。
しかし、なかなかコレだという商品が見つからなくて検索の世界をウロウロとしていたところ、これを見つけました。
その名は……
ポータブルコードレス扇風機
「ANDON FAN(アンドンファン)」
まずは実物を刮目されたし!
もはや卓上ファンでなく立派な扇風機なんですけど、風量といいサイズ感といい、ポータビリティ性といい、非常によい買い物をしたと満足してました。何よりもシンプルイズベストなデザインにうっとりしています。
そんなわけで、編集者という特権を活かし、アンドンファンの企画・開発・製造・販売を行っているシロカ株式会社の本社ショールームにお邪魔して広報担当者樣に直撃取材してきました!
シロカってどんな会社?
今日は突然の取材申し込みに快く対応いただき、ありがとうございます。
何卒よろしくお願いします!
お恥ずかしい話ですが、シロカさんというメーカーについて、これまであまり知りませんでした。
アンドンファンという扇風機をきっかけにWEBサイトを拝見し、「このメーカー、ノーマークだったけど、デザインとかブランディングにめちゃくちゃこだわってるぞ。日本にもこんなのがあったんだ」とうれしくなった次第です。
会社としてはどれぐらいの歴史があるんですか。
はい。もともとは2000年、卸売り販売の会社「オークセール」として弊社はスタートしました。2007年に自社の家電ブランド「シロカ」の販売を開始し、その後社名をブランド名の「シロカ」に変更し現在に至ります。
2020年に代表が変わったことにより「ものづくり」のプロセスを見直しました。新体制となってからは、製品開発力・技術力・品質を向上させたユニークな商品の提案ができるようになってきたと思っております。
主にキッチン家電がメインにしておりましたが、季節家電、生活家電という領域にもチャレンジを進めているところです。
弊社のデザイナーがよく申し上げているのは、「家電というよりも、道具を作りたい」ということです。家電としてのスペックはもちろん大事なんですが、それを暮らしに馴染む形で使っていただくということを大事にしています。
例えばお手入れをしやすいようにしようとか、もっと安全に使えるようにするにはどんな形状がいいだろうかとか、そういった部分の議論をとても大切にしていますね。
そこが競合となる大手家電メーカーさんたちとの違いであり、弊社の強みだと思います。ちょっと、抽象的ですみません。
いえいえ。デザインの話とはずれますが、WEBサイトを拝見していて思ったのは、道具としての家電をどんなシーンで使われるのかをとても大切にされているんだなと思いました。
商品を使っているユーザーの声を丁寧なインタビューで紹介していたり、キッチン家電を使ったレシピの写真もたくさん掲載されてますよね! どれも美味しそうなものばかりでした。
アンドンファンって?
今回取材させていただくアンドンファンという商品ですが、これはどういうきっかけで生まれたんですか?
発売は2022年の夏ですね。
長く続くコロナ禍ですが、そろそろみんなが楽しく外に出かけられたら良いなという想いがありまして、外に持ち出せるポータブルな扇風機の企画開発をスタートさせました。
一方で、室内環境でも風が欲しいけどなかなか送りにくい場所ってありますよね。例えば日本の家屋で夏場一番暑い場所は脱衣所という調査もありますし、洗面所やトイレなども空気がこもりがちな場所です。
確かに、風を送りづらいけど欲しい空間ってありますよね。雨から帰ってきた後の玄関とか、そよ風を送りたいところです。
でも、そういったニッチな場所だけのために扇風機1個買うのはちょっと・・・というユーザーはたくさんいらっしゃるのかなと思います。
アンドンファンは、WEBサイトなどではアウトドアの使用をイメージさせる写真を多用しているので、そういったニーズのユーザーに上手く訴求できている商品なのかなと思いますが、実は「室内でも多目的で使ってもらえるように」ということをコンセプトにしています。
アンドンファンのアンドンの意味は、行灯(アンドン)のように持ち運べるということですから。
なるほど。色々な場面で使えると「小型で場所も取らないし、もう1つ扇風機を買ってみようかしら」という気持ちになってしまうかも。
どこでも持ち運べて家の中でも外でもどっちでも使える、これを実現するには「アンドン構造」と私たちは名付けたんですけど、バッテリーやモーター、首振りの機構などのすべてをこの筒部に詰め込むポータビリティ性がデザインとして重要でした。
そして外で安心して使っていただくために、「IP44」という防滴・防塵性能基準のクリアもマストな目標として掲げておりました。
アンドンファンが企画され販売されるまで、どれぐらいの期間がかかったんですか。
1年もかからず比較的早い方だったと思います。試作機のレベル感であったり各課題の改善をクオリティ高く実現でき、スピードを保ちながら製品開発を進めることができたと思います。
新しい扇風機を作るにあたって、特にこだわられた部分を聞いてもいいですか。
とにかく風にこだわっています。小型機だからといってそこに関しては妥協をしませんでした。
まずは風質について。
屋外でも使えるポータブル扇風機を出しているメーカーさんって、国内外を問わずたくさんあるんですけど、その中でも家電メーカーとして本気で作ってるアウトドア扇風機は、アンドンファンを除いてまだほとんど市場にないと思います。というのは、室内で使うときには「音」が気になる商品がまだ多いのではないかと思うんです。
そんな中、アンドンファンの羽根には秘密があります。変哲もない羽根に見えるんですけど、微妙に全部重なってるじゃないですか。
こことこことか。
通常は重なってないんですよ。でも風量と静音性のことを考えると、この形状がどうしても必要だったんです。金型からこの形を抜いて製造するのも、結構手間がかかってるんです。
私は風量を抑えめのモードで使っていることが多いんですが、確かに近くに置いていてもあまり音がうるさいなと思ったことはない気がします。もちろん、音については人によって感想は違うかもしれないですけれども。
そして風量について。
ポータブルカテゴリーの他の扇風機と比較してもらうとわかるかと思いますが、アンドンファンは圧倒的にモーターが違います。
このサイズでこの大きさのモーターはなかなか挑戦的だと思います。というわけで羽根とモーターにこだわり抜いたことで、風の到達率とか直進性といった数値において、一般の扇風機と変わらないレベルの使い心地を実現しております。
風については日頃使っていて何も不満を感じていなかったので、ご説明を聞きながらナルホドと思いました。
見えない部分の努力に頭が下がります。心から感謝です。
と、良いことばかり書いていると嘘くさくなるので、1点だけ機能について要望をお伝えさせてください!
充電用のケーブルがUSB-Cですよね、でもスマホやノートPCの充電で良く使うPD充電が使えなかったんです。ここだけ残念と思ってしまいました。これに対応していればケーブルも少なくできて世界最強だったと思いました。
イチファンとして、次の商品での改善を期待しております(生意気をすみません)。
貴重なご意見ありがとうございます。今後の製品開発の参考にさせていただきますね。
機能もいいけど、やっぱりこのデザイン!
私がユーザーとしてまず感じたのが、デザインが圧倒的にいいなと。それに尽きますね。
このクネっとした脚部とか機能とオシャレさを両立していて、全体のシルエットというかミニマルなフォルムに無駄がなく、所有するだけでうっとりとした満足感を得られます。
ほら、後ろ姿もどこか背中で語ってる気がしませんか。「だまって私に着いて来い」みたいな(笑)
デザインが良いもう1つのメリットとしては、片付けなくてもサマになることですね。ズボラ派も安心です。
いわゆる通常の扇風機ですと、季節に応じて物置に片付けたり取り出したりと大変なんですが、インテリア性が高い上に非常にコンパクトな扇風機なので、出しっぱなしでも全然OKです。
扇風機を置きっぱなしにすると台座にホコリがたまる問題がありますが、台座が脚部になっているのでその心配もないですしね。
お褒めの言葉、ありがとうございます。デザイナーにも伝えておきますね。
補足しますと、弊社の商品はデザイン思想として「生活に溶け込む」という考え方を大事にしています。
今回のアンドンファン以外の商品もぜひ見ていただきたいんですが、形だったり色味だったり、あまり存在感を強く出しすぎず暮らしのお側に置いていただけるようなニュアンスを、見た目の印象からも感じ取っていただける商品が多いと思います。
次に感じたのは、使っていての感想ですけどサイズ感が絶妙だなと。
これより小さいとオフィスの机のデスクファンみたいな感じで、一応風は流れてるけど風量は非常に弱々しくなってしまいます。
あと、アンドンファンのサイズって、片手で運べる最大限のサイズ感なんですよね。これより大きいと、ひょいひょい移動しづらくなると思います。私は屋内派のユーザーなので、色々な場所を移動させながら使うところに便利さを感じているので、このサイズ感がちょうど良いと思うんですよね。
色々な場所で使う話をすると、この脚部はわりとフレキシブルにクネクネできるので面白いんですよね。角度調整ができて、真上に向けることもできるんです。
本来の使い方ではまったくないんですが、我が家の愚息は風船とかティッシュを扇風機上にセットし、舞い上がる様子を見て無邪気に遊んでます(笑)
そんなクリエイティブな使い方されてるんですね(笑)
真上に向ける話でいうと、洗濯物との組み合わせての使用がおすすめですね。上向きの扇風機を洗濯物の下にセットするんですが、室内干しでも使えますし、ベランダで干すときにも使えますよ。天日干しの日に下から風を当てると、乾かすスピードをさらにアップさせることができます。
なるほど、人によって使い方は色々できそうです。脚部を外して吊るしての使用もできますし、扇風機ドリームが広がりますね!
私個人のマニアックな使い方かもしれないですけど、テレワークしてると、だんだん飽きてきて家の色々な場所で作業したくなるじゃないですか。無駄に席を変えてみたい症候群といいますか。そういうときに、このアンドンファンといっしょに移動してましたね。特に夏はすぐにノートパソコンが熱くなりますから、定期的に扇風機での冷却タイムをとっていました。
ポータブルなサーキュレーターとして考えていただいても良いかと思います。コロナ禍でいろいろな場所での換気ニーズがありますし、冬場のエアコン効率を上げるために設置するのも効果的な使い方だと思います。
パソコンを手のひらサイズにするって、発想としては思い付きそうなことですよね。だけど実際にスマートフォンが形になって使ってみると、ただ小さいだけじゃなくて予期せぬ便利な発見がたくさん出てくるじゃないですか。
外に持ち運べる扇風機っていうのも、もしかしたら誰かが思いついていたものなのかもしれないですけど、実際に形になって使ってみると、思っている以上に便利なことをさまざまに発見できて楽しいんですよね。
最近気づいたのは扇風機を近づければ、大型の扇風機と同じ風心地を得られるということです。まあ、当たり前のことなんですが、あらためて「扇風機って別に大きくなくてもいいよね」とコロンブスの卵的な気づきがありました。
風といっしょに動ける、この体験をぜひ皆さんにしていただきたいです。
今回は取材にご協力いただき、ありがとうございました!
というわけで、アンドンファン取材のまとめ
扇風機って、もうある意味完成形になっていて、何もかもやりつくしたプロダクトだと勝手ながら思っておりました。
しかし、こういったアンドンファンのような面白い商品がでてくると、まだまだ人間は歩みを止めてはいけないんだと心から思います。
もしかするとちょっとだけ他のポータブル扇風機よりもお値段が高めかもしれませんが、私は妻の「別に安い扇風機買えばいいんじゃないの」という声をお仕切り、勇気を出して購入した甲斐がありました。記事を読んで気になった方は、ぜひシロカのWEBサイトやお近くの家電量販店などをチェックしてみてはいかがでしょうか。
【おまけ】最近、シンプルで素敵だなと思ったもの、教えてください!
ここからはアンドンファンとは直接関係ない話です。
関係者の横顔や普段どんなことを考えているかを伝えると面白いかと思い、実験的に作ったコーナーです。
ずばり、「最近、シンプルで素敵だなと思ったもの、教えてください!」
難しいお題、ありがとうございます(笑)
最近素敵だなと思ったのは、ニップンさんの「オーマイパスタ」ですね。パッケージは、良い意味で派手な感じがして、いかにも食べ物のパッケージというにぎやかな感じですよね。
家電の洗練されたパッケージとは、違う方向性でデザインされていて商品もそれぞれ個性的で面白いですよね。
そうなんです。
私はデザインも伝える仕事柄か、食品を買う時もついついパッケージで選んでしまうところがありまして。なので、パスタを買うときにも、輸入食材を扱うお店に行ってイタリア製のパスタをわざわざ買ったりしてたんです(いつもじゃないですよ)。
海外のパッケージは現地語で書かれていますし、パッケージも非常にシンプルで良い空気感があるんですよね。
わかります。食べ物なんですけど、雑貨を買うような楽しさがあります。
で、ここからが本題なんですが、「オーマイパスタ」って知ってます? 通常の半分以下の3分で茹でれますというような「早ゆでタイプ」があるんですよ。それはもう便利! 食べてみても違和感がなくて美味しい。
5分短縮できたら、料理に一アレンジ加えることもできますし、洗い物の時間などに使うこともできます!
1本1本の細さを追求したりとか、切れ込みを入れていたりとか、細かい部分の企業努力の結晶なんだなと感動しました。もしかするとパスタの本国イタリアのメーカーでも追求しないような部分のデザインに、シンプルに愚直にトライしているなと思いました。
中身のパスタに感動したら、不思議なんですけど、パッケージのにぎやかさも悪くないなと感じるようになってきた今日このごろです(笑)
どこかを好きになると、これまで見えなかった良い部分が見えてくることもありますよね。面白い気付きのシェア、ありがとうございました!
※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。
この記事を書いた人
どんぐりよりも枝豆を愛する「ミニマリストの片付け」編集部スタッフが、さまざまな記事をお届けします。
編集部が100人に聞きました!
この記事を読んだ口コミ・感想!
デザインが可愛い! 職場のデスクに置いて癒されたいです。
充電方法が3種類ぐらいできるとポータブル扇風機だったらいいな(付け替え式)。
モーターが大きくお飾りではなく使える扇風機なのがよかった。
夏場のパソコンの発熱はやや気になっていたので、この製品のようなポータブル扇風機は検討する価値があると思いました。しかも、オシャレなデザインなのでインテリアとしても良いと思いました。
一見古臭いように見えるが、ちゃんと見ると今の物だし、シンプルで飽きにくいデザインだと思います。後は値段次第。
デザインが可愛くレトロな感じでお洒落で気に入りました。小型扇風機はデザインがちょっとイマイチなものが多くこれなら納得いくデザインだと思いました。
家の中を気軽に持ち歩けて、風を当てたいところだけに送れるような軽くて持ち運べる大きさの物が良いなと思います さらに折れ曲がるなどして小さくなって使わない時にも収納に困らないのが良いなと感じます。
すごくシンプルな見た目が良いなと思いました。 うちは猫が2匹いて、羽根にもカバーにも毛がたくさん絡まるので、もっと簡単に掃除できるデザインの扇風機がすごく欲しいです。
商品名とデザインの雰囲気がつながりにくかったかも。ウインディとかシンプルで短く、可愛いネーミングがあっていると思った。羽の後ろのモーター部分がもっと薄くなってくれるといい。
アンドンファンという名前が秀逸。 室内に置きっぱなしでもお洒落だし、風量もあり、使い方は多そう。
扇風機の脚が小鳥ちゃんみたいに可憐なので傍に置いてペット感覚でそばで風を受けたいです。
エアコンのない部屋でも猛暑日にきっちり涼しい扇風機だったら欲しい!
一人で何か作業をしているときに使うのはよいと思った。夏の暑い時期の就寝時にそれぞれの快適な温度が違うので使ってみたいと思った。
シロカの商品は気になっています。シンプルでおしゃれでリーズナブルな物も多いです。この扇風機、フォルムがとてもおしゃれで、どこかかわいらしい。邪魔にならないサイズ感が良いですね。
振り幅を調整でき、風量の調整もできる扇風機がほしいです。風量の調整はできる扇風機はたくさんありますが、首を振る振り幅を調整できるものが少なく困っています。
充電式で持ち運べるのはとても便利だと思うけど、私的にはもう少し小さいサイズのものが便利かなぁと。100均でも販売しているハンディファンでは小さすぎるし、充電タイプ・電池タイプとあるが、気休め程度の風。クリップタイプの扇風機も試したが、音が気になって結局すぐに使わなくなってしまった。水・保冷材を使用する卓上クーラーだと場所をとるし…わがままを言えばきりがないが、もう少し小さく、静かなものがあればうれしいですね。
足が左右に広がっており、子供がひっかけて怪我をしそう。足部分がコンパクトなものがほしい。
すし飯を冷ますのに使いたい。お寿司屋さんでも是非つかってほしい。見た目が可愛いので、仕込み最中もニヤニヤしてしまう。
風通しというのはなかなか難しい問題で それがあるかないかでは人生が変わってくる それにスパイスを加えてくるのがこれ。
この会社を知らなかったけど、 製品に対する目線が消費者目線で とても好感が持てた。
コードレスなのが良く、リモートワーク時のちょっとしたイライラなども解消されそう。
ポータブル送風機、ポータブルヒーター、 ポータブル冷蔵庫かあったら面白いと思う。
ポータブル扇風機は使わないので必要性を感じない。寒がりなのでせんぷうきはいらないかもしれない。
猫舌なので、熱々のめん類を食べるときなどに使いたい。
昔馴染みの形のようでいて、コンパクトで進化しているのが古いのか新しいのかわからなくておもしろい。
ミニマリストでも、快適に過ごすためのアイテムは積極的に買いたいので、この扇風機はとても良いと思いました。
※編集部が100人に聞きました・口コミ・感想は読者アンケート結果を編集して掲載(2023年1月実施)。
コメントはあくまで各個人の意見となりますのでご了承ください。